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2011年1月26日水曜日

【生活マネー ミニ講座No.1732】医療保険の先進医療特約ってホントに必要??

 生活マネー ミニ講座:No.1,732(2011.1.26)

 ◆医療保険の先進医療特約ってホントに必要??


 FPオフィス ワーク・ワークス ファイナンシャルプランナー(CFP)の
中村宏です。

 医療保険やガン保険を販売している保険会社の人にうかがうと、「先進医
療特約」がなきゃ売れない、といいます。

 いまや「先進医療」は、医療保険、ガン保険の必須アイテムと言えるでし
ょう。

「一生涯、先進医療の費用を保障します!通算1,000万円まで!」などと、パ
ンフレットに文字が踊っています。

 ところで、先進医療をちゃんと理解している人がどのくらいいるかという
とあやしい限り。

 先進医療は厚生労働省が個別に定め、医療機関も決まっています。
 先進医療を使った治療は公的保険がきかず、全額自己負担となります。

 ただ、先進医療は、いまはそうでも、今後は普通の保険診療(自己負担は
3割)になるかもしれず、また、新しい先進医療技術が追加されるかもしれ
ず、つまり、ゆらゆらと揺れている仕組みです。

 気になるのは、全額自己負担になったときのお値段。
 保険会社のパンフレットには、「○○治療 300万円」などと書かれてい
ます。が、そもそも100万円を超えるような治療技術は数種類しかないといわ
れています。

 厚生労働省の実績報告から試算すると、2008年7月〜2009年6月の先進医
療の費用は、平均で1件あたり30万円程度(日経新聞2010.12.12)。

 では、この特約を付加したときに私たちが支払う特約保険料から考えてみ
ましょう。

 先進医療特約の保険料は、だいたい、90円台から100円台くらい。性別、
年齢を問わず、同一料金に設定されているところが多いですね。

 つまり、安い。

 安いということは、この特約を気軽に付加することができます。万が一、
高い費用のかかる先進医療の治療を受けた時に助かります。

 しかし、逆にいうと、保険料の安さは、支払われる保険金が実際には少な
いということを表しています。

 つまり、先進医療を受けるケースは全体としては、極めて稀だということ。

 極めて稀だから、付加する必要がないと言っている訳ではありませんよ。
 保険というものは、そもそも、発生する確率が低いのに、発生したら支出
が大きい事故に備えて加入するものだからです。


 先進医療特約には、次のようなこともありますので、注意が必要です。

 一般的に、同じ保険会社で販売しているガン保険と医療保険について、一
方に先進医療特約を付加すると、他方には付加できません。

 では、どちらに付加するのがいいかというと、医療保険ですね。

 ガン保険は、ガンに関する先進医療に特化しているからです。

 どうせ先進医療を付けるなら、医療保険に先進医療特約をつけて、医療全
般の先進医療を対象にしたほうがいいでしょうね。範囲が広いから。

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