■明日の株新聞
先週末の米国市場に大きな変化はなく、ユーロ下落を反映した立ち上がりから、場中の円安推移とともに持ち直す動きとなった本日の株式相場ですが、株価指数が下値試すも見直し買いで切り返し、前営業日に見られた日経平均株価構成比率上位の波乱から落ち着きを取り戻しつつあるのではないでしょうか。日経平均株価は反発。
前述の通りに朝方では前営業日算出のSQ値8517.75円、節目8500円を割り込む場面があったものの、外需関連株への見直しで切り返してきました。
キープライス下抜けにも下値耐性を見せた辺りは相場の底堅さを感じさせます。
さて、前営業日配信版では「SQ算出日取引としてはまずまずの内容 中期と短期両面で」と題していました。
オプションSQ算出の前営業日取引に関しては、SQ値が8517.75円と低い目標となり、ソフトバンク<9984>、ファーストリテイリング<9983>ら構成比率上位の急落が押し下げたことを除けば「まずまずの内容」と評していたと思います。
さらに「このまま外部要因の落ち着きが続けば、指数が出直るタイミングも捉えられるでしょう」とも締めていましたが、外部要因で円安推移が見られると、株価指数は出直る動きに。
日経平均株価は下値耐性を見せて陽線転換、このまま下値を固めると、5日移動平均線(8604.93円)奪回も期待できるのではないでしょうか。
投資戦略としては「中期視点で外需関連株の打診買い、そして短期ディーリングで乗り切りたいところ」と記していました。
会員情報では、10月11日のインターネット会員A情報で買い推奨していたTPR<6463>が目標株価を達成、外需関連株の出直りを捉えているほか、当欄でも需給妙味に着目した短期ディーリング実績銘柄として挙げていたバイオ関連のタカラバイオ<4974>、新興軽量級のエイチーム<3662>、ガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>らが賑わうなど、中期スタンスで外需関連株の打診買い、短期ディーリングの両投資対象がそれぞれ活躍しています。
明日は外部要因の変化、株価指数の5日移動平均線攻防を見極めながら、このまま中期スタンスで外需関連株の打診買い、短期スタンスでのディーリングと両面戦略で臨みましょう。
■今日の東京市場から
先週末の米国市場は小動き。消費指標の予想上ブレを好感した買いが下支えしたものの、欧州市場の軟調展開が重しとなっています。
10月のミシガン大学消費者信頼感指数は83.1ポイントとなり、前月の78.3ポイント、市場予想の78.0ポイントを上回る好内容に。
消費指標を好感した買いが先行しました。
ただ、欧州市場で国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事が世界の経済成長ペースは失業を抑制するには不十分との見解を示したことで、18カ国中13カ国の株価指数が下落するなど、欧州市場が振るわず、米国市場の重しとなっています。
ダウ平均株価は、前営業日比2.46ドル高の13,328.85ドル。
ナスダック総合指数は5.30ポイント安の3,044.11ポイントで取引を終えました。
為替相場では、欧州市場下落とともにユーロが売られたものの、経済指標好感のドル買いが継続。
週明けの東京時間早朝では、1ドル78円台前半、1ユーロ101円台前半の水準で取引されています。
東京株式市場では、米国市場の小動きで外部要因に大きな変化はなく、売り買いが交錯。
日経平均株価は8517円の小幅続落スタートに。
寄り付き後は、為替相場の円高推移とともに日経平均株価が下値を探る動き。
前営業日算出のSQ値8517.75円、節目8500円を割り込む場面があったものの、円高一服とともに見直し買いを集めました。
昼休みを挟んで後場では日経平均株価はプラス圏で推移に。
ただ、節目8600円乗せは叶わず、取引終盤にかけては伸び悩んでいます。
日経平均株価終値は、43.81円高の8577.93円。
東証1部の売買代金は概算で1兆494億円。
東証1部の売買高は概算で16億2371万株。
値上がり銘柄は994(59%)に対し値下がりは516(30%)、変わらずは161(9%)となりました。
■本日の注目相場
場中の円安推移とともに株価指数が出直るなか、トヨタ<7203>、ホンダ<7267>、日産自動車<7201>、キヤノン<7751>ら国際優良株がしっかり。三菱UFJFG<8306>、三井住友FG<8316>のメガバンク、三菱商事<8058>、三井物産<8031>の総合商社など、大型株が底堅く推移しています。
売買代金上位では、前営業日にも最上位に進出したソフトバンク<9984>が入り、買収合意報道が伝わったことで、改めて費用負担の重さや買収先の経営再建可能性を懸念した売りに押されました。
ソフトバンク<9984>との経営統合が予定されるイー・アクセス<9427>も連れ安。
一方、業績観測報道の伝わったコマツ<6301>が見直し買いを集め、電気料金値上げ観測報道の関西電力<9503>なども堅調に推移しています。
セクターでは、デンソー<6902>、ホンダ<7267>ら輸送用機器や関係性の深いブリヂストン<5108>、横浜ゴム<5101>のゴム製品などが業種別株価指数騰落の値上がり上位に並びました。
国際石油開発帝石<1605>、石油資源開発<1662>の鉱業、コマツ<6301>、日立建機<6305>、オークマ<6103>の機械、王子ホールディングス<3861>、日本製紙<3893>の紙パルプなどが続いています。
一方、全日本空輸<9202>の空運、ソフトバンク<9984>、イー・アクセス<9427>の通信、三井不動産<8801>、三菱地所<8802>の不動産など、内需系業種が値下がり上位に並びました。
個別では、出資による再建観測の強まったルネサスエレクトロニクス<6723>、目標株価引き上げのスギホールディングス<7649>、格上げのAOCホールディングス<5017>などが個別物色を集めています。
新興市場では、バイオ関連のタカラバイオ<4974>、コスモバイオ<3386>、ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング<7774>、テラ<2191>が人気化。
軽量級のガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>、エイチーム<3662>、モブキャスト<3664>なども賑わうなど、近視眼的な物色が目立ちました。
■本日の注目銘柄シューティング!
<9984>ソフトバンク 2,268円 前日比−127円(−5.30%)大幅続落。
買収協議中とされた米携帯電話事業3位のスプリント・ネクステルの買収が合意に近づいているとされ、立ち上がりにはアク抜けと見た買いが先行したものの、費用負担の重さや買収先の経営再建可能性を懸念した売りに押されている。
統合比率の関係でイー・アクセス<9427>も続落した。
<6301>コマツ 1,612円 前日比+67円(+4.34%)
続伸。
連結営業利益が2割減の着地となるとの上期の業績観測報道が伝わったものの、すでに中国市場の減速懸念で売り込まれていたことから、業績不透明感後退と見た見直し買いが入っている。
同業の日立建機<9305>や設備投資関連のファナック<6954>なども見直されたようだ。
<9503>関西電力 620円 前日比+23円(+3.85%)
大幅続伸。
来年4月にも電気料金を値上げする方向で検討に入ったとの一部報道が伝わり、採算改善期待の高まりとともに買いを集めている。
政府の許可が必要な家庭向け電気料金は11月にも申請する見通しで、具体的な見通しが明らかとなったことから、同業の中部電力<9502>ほか電力株が揃って底堅く推移している。