Index
◆明日の株新聞 「決算先回り買いが効く! 業績見極めは早めに」
◆今日の東京市場から 「日経平均は100円高 後場政策期待で浮上」
◆本日の注目相場 「指数浮上も決算銘柄に賑わい 減額アク抜けも目立つ」
◆本日の注目銘柄シューティング! <9433>KDDI、<4689>ヤフー、<6594>日本電産
◆Last
■■ 〜 明日の株新聞 〜 ■■
外部要因に大きな変化はなく、後場中頃まで売買が交錯する動きとなった本日
の株式相場ですが、後場後半に日銀、政府を通じた政策観測報道が伝わり、国
内要因で買い気を強める格好に。ただ、売買代金上位では決算絡みの材料株が
進出するなど、決算シーズン恒例の流れが強まってきています。
日経平均株価は後場上伸。米国市場が前営業日の大幅安から下げ止まり、反発
スタートから後場の政策期待とともに上値を伸ばす動きを見せました。
前営業日後場で売り直された日経平均株価に関して、それでも当欄では「まだ
まだ値固め意識が通じるところでしょうか」と指摘していましたが、本日も底
堅い動きを見せ、後場の支援材料にもすぐさま反応。このところ試していた大
台9000円に乗り直しています。
ただ、前営業日に続いて、本日も売買代金上位には決算材料株が数多く進出。
個別視点が強まってきていることを踏まえ、前営業日配信版では「好決算期待
銘柄が活躍 アナリスト評価を参考に!」と題していました。
投資戦略では「決算発表を先回りするスタンス」を推奨。23日引け後に配信し
た厳選5銘柄付きレポート「今年最後の決算相場! 決算暴騰株をピンポイン
トで狙い撃ち!」の注目銘柄で、前営業日に目標株価を達成した神東塗料<461
5>が13時に増額修正を発表。人気化した前営業日から、さらに株価水準を切り
上げてくるなど、決算先回り買いのスタンスが効力を発揮しています。
また、同レポートの注目銘柄でもあるJトラスト<8508>も神東塗料<4615>に続
いて目標株価を達成。決算発表予定は11月8日と発表まで余裕がありますが、
好決算期待銘柄には先回り買いが入っているのではないでしょうか。
しかしながら、まだ明らかとなっていない決算内容を先回りするには、専門的
な企業分析が不可欠。引き続きアナリストの評価を参考にしてください。今後
は開示銘柄も増えてくるため、早めに企業業績の先行きを見極めておきましょ
う。
■■ 〜 今日の東京市場から 〜 ■■
昨晩の米国市場はもみあい。経済指標の改善や前営業日の大幅下落からリバウ
ンド狙いの買いが入ったものの、FOMC声明で経済見通しの先行き不透明感
を示したことで、戻り売りも出ました。
中国のHSBC製造業PMIや9月の新築一戸建て住宅販売が市場予想を上回
り、前営業日の大幅下落からの見直し買いが先行する展開に。
ただ、取引時間後半に明らかとなったFOMC声明で「経済活動は緩やかな成
長にとどまり、失業率は高止まりしている」と指摘するなど、先行き不透明感
を示したことを嫌気した戻り売りが上値を阻んでいます。
ダウ平均株価は、前営業日比25.19ドル安の13,077.34ドル。ナスダック総合指
数は8.77ポイント安の2,981.70ポイントで取引を終えました。
為替相場では、欧州時間帯で経済指標を嫌気した売りが出たものの、米経済指
標確認で持ち直す動き。東京時間早朝では、1ドル79円台後半、1ユーロも10
3円台半ばの水準で取引されています。
東京株式市場では、米国市場のもみあい、為替相場も大きな変化はなく、売買
が交錯。日経平均株価は8952円の小幅安スタートに。
寄り付き後は、為替相場の円安推移、政府の景気対策や当局の金融緩和期待と
ともに底堅い動きとなり、日経平均株価は次第高の流れとなりました。
昼休みには円買いが見られてやや弱含んだものの、中盤からは日銀金融政策決
定会合での10兆円規模の緩和方針、政府による7000億円規模の景気対策が報じ
られたことで買い気を強め、日経平均株価は大台9000円を固めています。
日経平均株価終値は、100.90円高の9,055.20円。東証1部の売買代金は概算で
9698億円。東証1部の売買高は概算で15億9239万株。値上がり銘柄は1241(74
%)に対し値下がりは294(17%)、変わらずは136(8%)となりました。
■■ 〜 本日の注目相場 〜 ■■
後場の円安推移、指数浮上を受けて、トヨタ<7203>、ホンダ<7267>、キヤノン
<7751>の国際優良株が好調。三菱UFJFG<8306>、三井住友FG<8316>のメ
ガバンクも金融緩和期待で底堅く、日経平均株価構成比率上位のファーストリ
テイリング<9983>も指数浮上を支援しています。
売買代金上位では、決算銘柄のKDDI<9433>が最上位に進出。減額アク抜け
の日本電産<6594>、任天堂<7974>、JFEホールディングス<5411>などが並ぶ
など、決算材料株の商いが目立ちました。
一方で、軟調な業績観測報道でシャープ<6753>が下落。電気機器のパナソニッ
ク<6752>、ソニー<6758>などに警戒売りが出ています。
セクターでは、新日鐵住金<5401>、JFEホールディングス<5411>の鉄鋼が業
種別株価指数騰落の値上がり最上位に。関西電力<9503>、中部電力<9502>の電
気ガス、任天堂<7974>擁するその他製品も値上がり上位に入りました。
王子ホールディングス<3861>、日本製紙<3893>の紙パルプ、野村ホールディン
グス<8604>、大和証券<8601>の証券、大成建設<1801>、大林組<1802>の建設な
どが続き、国内景気対策期待で買われています。
一方、JXホールディングス<5020>の石油製品、旭硝子<5201>、日本板硝子<5
202>のガラス製品が安く、業種別株価指数の値下がりは2業種となりました。
個別では、増額のステラケミファ<4109>、三菱自動車<7211>、タツタ電線<580
9>らが材料人気を集めています。
新興市場では、中核のサイバーエージェント<4751>、ジェイアイエヌ<3046>、
ニューフレアテクノロジー<6256>がしっかり。増額のピーエスシー<3649>、軽
量級のイーブックイニシアティブジャパン<3658>、モルフォ<3653>、バイオ関
連のそーせい<4565>、スリー・ディー・マトリックス<7777>らが短期資金で賑
わいました。
■■ 〜 本日の注目銘柄シューティング! 〜 ■■
<9433>KDDI 6,370円 前日比+330円(+5.46%)
急伸。前営業日引け後に発表した上期決算が市場予想を上回ったことで、決算
評価の買いを集めている。さらにジュピターテレコム<4817>の連結子会社化な
ど、グループ経営強化も見込まれており、場中も買いが買いを呼ぶ動きに。全
市場の売買代金最上位に入った。
<4689>ヤフー 28,000円 前日比−1,200円(−4.37%)
急落。前営業日引け後に上期決算、未定としていた通期業績予想をレンジで示
し、順当な業績を明らかにしたものの、一部調査機関の市場予想に届かず、決
算売りに押されている。野村証券も「割安感に乏しい」として投資判断、目標
株価を据え置いており、決算評価が限られたようだ。
<6594>日本電産 5,530円 前日比+180円(+3.36%)
大幅続伸。前営業日引け後に上期決算と通期業績予想の下方修正を明らかにし
たものの、事前の決算警戒売りで株価水準を切り下げていたこともあり、アク
抜けと見た買いが入ったようだ。ただ、買い一巡後は戻り売りも出ており、場
中開示の決算材料株などに資金がシフトしている。