■■ 〜 明日の株新聞 〜 ■■
外部要因に大きな変化はなく、根強い戻り売り圧力とともに株価指数が水準を
切り下げる格好となった株式相場ですが、売買代金上位では材料性に基づく個
別物色が見られ、新興軽量級にも短期資金が向かうなど、相変わらず機動的な
物色傾向が続いています。
日経平均株価は続落。
前場では節目8800円に対する意識が見られたものの、後
場の下押しとともに水準を切り下げてきました。
本日も高値8806.75円は5日移
動平均線(8829.879円)に届かず、前営業日から上値、下値とも切り下げてき
ています。
さて、前営業日配信版では「相場の戻り鈍く短期売買が中心に 中期投資タイ
ミングを探る時」と題していました。
当欄での市況認識として、外部要因の先行き不透明感から、株価指数の戻りは
鈍く、戻り売り圧力が強まるとともに投資資金は中核銘柄から材料株や中小型
株、新興軽量級に向かっていることを紹介していたと思います。
連日で紹介している9月25日引け後配信の厳選銘柄付き特別市況分析レポート
「バブル相場で狙える株!【2012】」の注目銘柄・ガンホー・オンライン・エ
ンターテイメント<3765>が高値更新となり、会員情報でも前営業日のインター
ネット会員A情報で買い推奨していたエイチーム<3662>がストップ高となるな
ど、需給妙味に溢れる新興軽量級が活躍しました。
前営業日配信版でも「株価指数の戻りは鈍く、相場の下げ止まりには時間を要
しそう。
このまま値動きの軽い投資対象を選んでの短期物色を軸としながら、
中期視点では企業の将来性や実態評価を見極めながら、投資タイミングを探っ
ていきましょう」とも締めていましたが、日程面でも今週はECB理事会に日
銀金融政策決定会合、金曜日の重要指標・米雇用統計発表。
そして国内では週
末三連休となるなど、軟調な地合いの影響を除いても腰を落ち着けて手掛けに
くい局面でしょうか。
ただ、この近視眼的な物色傾向も重要指標の米雇用統計や国内での週末三連休
の日程面を意識するならば、明日や明後日には手仕舞い目的の換金売りが出て
いることも想定しておきたいところ。
やはり今週までは、期間限定と割り切って値動きの軽い投資対象の短期物色を
軸としながら、地合いの落ち着きを待ち、企業の将来性や実態評価を見極めつ
つ、来週以降の投資タイミングを探っていきましょう。
■■ 〜 今日の東京市場から 〜 ■■
昨晩の米国市場は高安まちまち。
欧州問題の先行き不透明感から金融関連など
に売りが出たものの、アップルが切り返すとテクノロジー関連には見直しが進
みました。
スペインのラホイ首相が「救済要請は差し迫っていない」と言明したことで、
救済期待を織り込んでいたマーケットには先行き不透明感が強まり、アメック
ス、バンカメ、JPモルガンら金融関連に売りが出ています。
一方、下落していたアップルが投資判断引き上げに反応して切り返すと、マイ
クロソフト、インテルらテクノロジー関連が物色され、相場を下支えしました。
ダウ平均株価は、前営業日比32.75ドル安の13,482.36ドル。
ナスダック総合指
数は6.51ポイント高の3,120.04ポイントで取引を終えています。
為替相場では、米国時間帯でユーロが下落したものの、相対的にドルが上昇し
ており、ドル円やユーロ円ではほぼ変わらず。
東京時間早朝では、1ドル78円
台前半、1ユーロ100円台後半で取引されました。
東京株式市場では、外部要因に進展が見られず、前営業日に引き続き戻り売り
が先行。
日経平均株価は8778円の続落スタートに。
寄り付き後は、日経平均株価が直近安値レベルで下げ止まると見直し買いを集
め、プラス圏に浮上。
節目8800円を挟んでのもみあいが続きました。
為替相場で円高推移が見られているほか、時間外米指数先物も下げてきており、
後場では再び売りが先行。
日経平均株価は前場安値を割り込むと下値模索の動
きとなっています。
日経平均株価終値は、39.18円安の8746.87円。
東証1部の売買代金は概算で92
22億円。
東証1部の売買高は概算で13億9811万株。
値上がり銘柄は410(24%)
に対し値下がりは1104(65%)、変わらずは157(9%)となりました。
■■ 〜 本日の注目相場 〜 ■■
後場の指数下押しで中核銘柄のホンダ<7267>、キヤノン<7751>の国際優良株、
三菱商事<8058>、三井物産<8031>の総合商社、三菱UFJFG<8306>、三井住
友FG<8316>のメガバンクら大型株が軟調に推移しています。
ただ、米自動車販売が好調だったトヨタ<7203>、富士重工業<7270>、スズキ<7
269>がしっかり。
東芝<6502>、リコー<7752>、TDK<6762>らが物色されるな
ど、個別で見直し買いも入りました。
売買代金上位では、月次軟化も織り込み済と見られたファーストリテイリング
<9983>、調整一巡感の高まっている任天堂<7974>らが目立った一方で、NTT
<9432>、NTTドコモ<9437>、ソフトバンク<9984>、KDDI<9433>ら通信業
が進出するなど、セクター間での資金循環が見られています。
セクターでは、前営業日に下落していた三井不動産<8801>、三菱地所<8802>の
不動産が業種別株価指数騰落の値上がり上位に。
商船三井<9104>、日本郵船<9
101>、川崎汽船<9107>ら海運、任天堂<7974>擁するその他製品が続きました。
一方、値下がり上位では、王子ホールディングス<3861>、日本製紙<3893>の紙
パルプ、ニコン<7731>、トプコン<7732>の精密機械、三井倉庫<8302>、住友倉
庫<9303>の倉庫運輸が並んでいます。
武田薬品<4502>、塩野義<4507>の医薬品、旭硝子<5201>、日本電気硝子<5214>
のガラス製品、新日本製鐵<5401>、JFEホールディングス<5411>の鉄鋼など
も売られました。
個別では、決算銘柄のガリバーインターナショナル<7599>がアク抜け気味で買
われたほか、新規カバレッジの日機装<6376>、月次受注確認の大東建託<1878>
らが材料物色を集めています。
新興市場では、中核銘柄のサイバーエージェント<4751>、楽天<4755>が売られ
たものの、値動きの軽いエイチーム<3662>、モブキャスト<3664>、エムアップ
<3661>、ガンホー・オンライン<3765>、サクセスホールディングス<6065>、バ
イオ関連のそーせい<4565>などに短期資金集中が見られました。
■■ 〜 本日の注目銘柄シューティング! 〜 ■■
<7203>トヨタ 3,005円 前日比+11円(+0.37%)
堅調。
前営業日発表の9月米自動車販売が高水準だったこともあり、見直し買
いを集めている。
外部要因は振るわず、株価指数も軟調となるなか、値持ちの
良さが目立っている。
同業では日産自動車<7201>、ホンダ<7267>が売られた半
面、富士重工業<7270>、スズキ<7269>が買われた。
<9983>ファーストリテイリング 18,180円 前日比+650円(+3.71%)
急反発。
前営業日引け後に発表した9月のユニクロ事業月次成績で、既存店売
上高が前年同月比2.4%減となったものの、ここ連日の調整や同業他社の月次動
向から織り込んでおり、見直し買いを集めている。
株価指数が下押しするなか、
日経平均構成比率上位として指数を下支えした。
<7974>任天堂 10,840円 前日比+450円(+4.33%)
上伸。
外部要因に進展はなかったものの、長期の調整一巡感から見直しが継続
している。
信用需給も良好で、下値余地が限られているほか、売り方の買い戻
しも誘っているようだ。