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明日の株新聞 「決算シーズン後は選別物色へ 今は業績分析の時」
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本日の注目相場 「日経平均構成比率上位が軟調 決算銘柄も次第に目立たず」
明日の株新聞
欧州動向の先行き不透明感がより強まり、調整色を深める欧米市場とともに連日の軟調展開を余儀なくされた本日の株式相場ですが、SQ算出に絡んだ朝安後は日経平均株価が下げ渋るなど、外部要因軟化を織り込む動きに。
決算銘柄の売買も落ち着いてきており、そろそろ相場の基調変化に備える局面でしょうか。
日経平均株価は続落。
前営業日の25日移動平均線(8863.87円)、75日移動平均線(8892.81円)割れから下値を探ってきました。
上方から切り下げる5日移動平均線(8910.04円)とのデッドクロスも迫ってきています。
さて、前営業日配信版では「明日のSQ算出を注視 相場調整にも慌てず投資対象の選別を!」と題していました。
SQ算出に関しては「前営業日から水準を切り下げた分、行使価格の8750円、9000円まで値幅があることから、波乱発生は想定し難い」とも記していましたが、前営業日から続くリスク回避の流れでシカゴ先物がオプション行使価格8750円前後で推移したことから、寄り付き算出のSQ概算値は8745.24円と行使価格8750円割れとなっています。
ただ、懸念された日中安値は8729.45円にとどまり、売り一巡後にSQ概算値に乗り直すと場中は下げ渋る動きに。
終盤では週末を控えて手仕舞い売りも出ましたが、ローソク足は陽線転換を果たしました。
さて、SQ算出のイベントとともに本日は決算発表のピーク日を迎え、場中開示を含め決算銘柄への反応が見られましたが、全市場の売買代金上位にはNTT<9432>の進出が目立つ程度で、すでに多くの銘柄が決算開示を済ませたことで、次第に決算銘柄の存在感は低下してきています。
また、当欄でも投資戦略として推していた「決算銘柄を中心とした個別物色」ですが、前営業日11月8日のインターネット会員A情報で買い推奨していた武蔵野銀行<8336>が決算ディーリング向きの値動きとなるも、銘柄知名度から開示情報の分析や一定レベルの短期売買テクニックが問われました。
そこで、週明けで一巡する決算シーズン後は「投資対象の切り替え」を指摘し、新たな投資対象を「選別する局面」と位置づけていましたが、決算発表が出揃うことで、今後は業績の悪いものを売って、業績の良いものに乗り換える「選別物色」が進むのではないでしょうか。
週明けの決算一巡後までは企業業績の分析に充てる時と位置付けましょう。
今日の東京市場から
昨晩の米国市場は続落。
ギリシャ向け支援資金の支払いの延期観測が伝わり、欧州動向の先行き不透明感とともに売りが出ています。
欧州で12日に行われる財務相会合でギリシャ向け支援資金の支払いが承認されないとの見方が強まり、欧州動向の先行き不透明感が台頭。
欧州各市場の主要株価指数が下落した流れを受けて、米国市場も売りが優勢となりました。
また、既存店売上高の不振でマクドナルドが売られたほか、アップルの調整も続いており、大型株の下げが株価指数を押し下げています。
ダウ平均株価は、前営業日比121.41ドル安の12,811.32ドル。
ナスダック総合指数は41.70ポイント安の2,895.58ポイントで取引を終えました。
為替相場では、欧州動向の先行き不透明感を反映し、ユーロが対ドルで2カ月ぶりの安値に。
ドル円もリスク退避の円高に振れており、東京時間早朝では、1ドル79円台半ば、1ユーロも101円台前半の円高水準で取引されています。
東京株式市場では、欧米市場の続落、為替相場の円高推移を嫌気した売りが先行。
日経平均株価は8742円の続落スタートに。
シカゴ先物がオプション行使価格8750円前後で推移したことから、SQ算出が注目され、寄り付き後に伝わったSQ概算値は8745.24円の算出に。
原資産の日経平均株価はSQ概算値を下回って推移したものの、戻り売りをこなして底堅い動きを見せました。
昼休みを挟んで外部要因も和らいでおり、後場の日経平均株価は下げ渋る動き。
寄り付きで算出されたSQ概算値8745.24円を上回る水準で推移したものの、取引終盤では週末を控えての手仕舞いに押されています。
日経平均株価終値は、79.55円安の8,757.60円。
東証1部の売買代金は概算で9334億円。
東証1部の売買高は概算で15億2117万株。
値上がり銘柄は337(20%)に対し値下がりは1185(70%)、変わらずは156(9%)となりました。
本日の注目相場
株価指数続落とともにホンダ<7267>、キヤノン<7751>の国際優良株、三菱UFJFG<8306>、三井住友FG<8316>のメガバンク、三菱商事<8058>、三井物産<8031>ら総合商社が軟調。
それぞれ続落着地を余儀なくされています。
また、オプションSQ算出日でもあり、外部要因軟化に沿って安い立ち上がりとなったことから、日経平均株価構成比率上位のファナック<6954>、ファーストリテイリング<9983>、ソフトバンク<9984>なども軟調でした。
売買代金上位では、減額アク抜けで商いを集めたNTT<9432>が進出。
ヤフー<4689>との提携材料でグリー<3632>なども上位に入りましたが、すでに多くの銘柄が決算開示を済ませたことで、決算銘柄の反応は目立っていません。
セクターでは、全日本空輸<9202>、日本航空<9201>の空運業、日本郵船<9101>、川崎汽船<9107>の海運が業種別株価指数騰落の値上がり上位に入っています。
NTT<9432>が押し上げた情報通信、自社株買いが好感されたホクト<1379>、セコム<9735>、ベネッセ<9783>のサービス業も続いています。
一方、中部電力<9502>、関西電力<9503>の電気ガス、横浜ゴム<5101>、住友ゴム<5110>のゴム製品、帝人<3401>、東レ<3402>の繊維などが値下がり上位に並びました。
個別では、増額のツムラ<4540>、減額アク抜けのディスコ<6146>、自社株買いのエイベックス<7860>、武蔵野銀行<8336>などが物色を集めています。
新興市場では、中核のサイバーエージェント<4751>が底堅く、好決算のガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>に反応してネット関連のエイチーム<3662>、モブキャスト<3664>も上昇。
バイオ関連のナノキャリア<4571>、テラ<2191>、スリー・ディー・マトリックス<7777>なども買われました。
本日の注目銘柄シューティング!
<9432>NTT 3,725円 前日比+150円(+4.20%)
急伸。
前営業日引け後に通期業績予想の下方修正を発表したものの、すでに業績不振が認識されており、アク抜けと見た見直し買いを集めたようだ。
また、海外事業の強化とコスト削減を主体とする中期経営計画を発表しており、今後の展開力を期待する向きもあるようだ。
<6954>ファナック 12,680円 前日比−160円(−1.25%)
続落。
昨晩の欧米市場が続落するなど外部要因が軟化、シカゴ先物がオプション行使価格8750円前後で推移したことから、SQ算出に絡んだ思惑売買を集め、日経平均構成比率上位として商いを集めている。
同じく日経平均株価構成比率上位のファーストリテイリング<9983>、ソフトバンク<9984>なども全市場の売買代金上位に進出した。
<3632>グリー 1,439円 前日比+25円(+1.77%)
続伸。
前営業日引け後にヤフー<4689>と包括的業務提携を行うと発表したことが材料視されたようだ。
提携先のヤフー<4689>も底堅く推移しており、ともに材料評価を集めている。
ただ、すでに「ヤフーモバゲー」を展開しているため、ディー・エヌ・エー<2432>は軟調な展開となるなど、ソーシャルゲーム関連のなかで思惑が交錯しているようだ。