■■ 〜 明日の株新聞 〜 ■■
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外部要因改善の指数反発スタートから、ここ連日で戻り売り優位の流れととも
に伸び悩む場面が見られたものの、為替相場での円安推移を追い風に戻りを試
した本日の株式相場ですが、本日の買い気には外部要因のさらなる改善期待を
先回りする向きや日程面を考慮した売り方の買い戻しなども作用しているので
はないでしょうか。
日経平均株価は反発。
節目8800円やこのところ上値を押さえていた5日移動平
均線(8804.83円)を奪回してきました。
ただ、高値8865.92円は75日移動平均
線(8871.77円)に一旦上値を阻まれた格好でしょうか。
もう一方の株価指数のTOPIXも反発。
日経平均株価と同様に上値抵抗とな
っていた5日移動平均線(732.74ポイント)に乗り直しましたが、高値が738.
98ポイントにとどまり、こちらは25日移動平均線(740.48ポイント)に上値を
抑えられています。
さて、前営業日配信版では「短期主導もそろそろ手仕舞いを警戒 中期視点で
は銘柄選別の局面」と題していました。
市況認識として、このところの外部要因の先行き不透明感から、株価指数の戻
りは鈍く、チャート軟化からの戻り売り圧力を指摘していましたが、本日では
円安推移を追い風に見直し買いを集めています。
ただ、本日の買い気に関しては、前述の通り「外部要因のさらなる改善期待を
先回りする向きや日程面を考慮した売り方の買い戻し」も影響したのではない
でしょうか。
円安推移に関しては、昨晩からの流れを引き継いでおり、米国での経済指標で
もあるADP雇用統計が効きました。
ただ、金曜日発表の重要指標・米雇用統
計に向けて雇用情勢の改善期待を先取りしている面もあります。
さらに、明日の日銀金融政策決定会合の声明発表やECB理事会での追加緩和
期待も漂う格好。
すでに本日の取引時間段階でも時間外米指数先物のダウ平均
で50ドル前後の上昇を確認するなど、今晩の米国市場上昇を織り込んでいます。
また、国内では週末三連休となることから、日程面を考慮して手仕舞い目的と
なる売り方の買い戻しも誘ったのではないでしょうか。
この重要イベント揃う日程面の影響から「腰を落ち着けて手掛けにくい局面」
と見て、近視眼的な物色傾向を紹介していましたが、本日では前営業日配信の
電話会員情報銘柄のガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>、イン
ターネット会員A情報で買い推奨していたエムアップ<3661>が前場段階で目標
株価達成を果たすなど、引き続き需給妙味に溢れる新興軽量級が活躍していま
す。
ただ、値動きの軽い投資対象の短期物色も日程面の影響で手仕舞い目的の換金
売りが出てくる可能性を考慮し、今週中の期間限定との位置付けも紹介してい
ました。
前述の通りに、重要イベントが控え、株価指数のチャートでもそれぞれ上値抵
抗線が控えるなかでは、まだまだ地合いの落ち着きを待つ局面との見方に変わ
りはありません。
今は来週以降を見据えて、企業の将来性や実態評価を見極め
ながら、投資機会を待ちましょう。
■■ 〜 本日の注目相場 〜 ■■
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円安推移を追い風とした指数浮上を受けて、中核銘柄のトヨタ<7203>、日産自
動車<7201>、ホンダ<7267>の自動車が強く、東芝<6502>、日立<6501>の電気機
器の一角など、国際優良株が好調。
三菱UFJFG<8306>、三井住友FG<831
6>のメガバンクも物色されており、株価指数を押し上げています。
一方、直近で賑わいを見せていたNTT<9432>、ソフトバンク<9984>ら通信業
は資金シフトの対象となり、格下げの日本電産<6594>、業績観測報道のニコン
<7731>ら電気機器や精密機械の苦戦もあり、キヤノン<7751>、ソニー<6758>、
シャープ<6753>などは売られました。
売買代金上位では、中核銘柄のほか、ネット関連のディー・エヌ・エー<2432>、
グリー<3632>などがしっかり。
このところ活躍の見られている三菱地所<8802>、
三井不動産<8801>、住友不動産<8830>ら不動産業も買われています。
セクターでは、トヨタ<7203>、日産自動車<7201>、デンソー<6902>らが買われ
た輸送用機器、三菱地所<8802>、三井不動産<8801>の不動産業が業種別株価指
数騰落の値下がり上位に。
輸送用機器と関係性の深いブリヂストン<5108>、住友ゴム工業<5110>のゴム製
品、旭硝子<5201>、日本板硝子<5202>のガラス製品なども続きました。
三菱UFJFG<8306>、三井住友FG<8316>の銀行、野村ホールディングス<8
604>、大和証券<8601>の証券、オリックス<8591>のその他製品、所属全銘柄が
上昇した保険業など金融関連業種も好調に推移しています。
一方で、関西電力<9503>、中部電力<9502>の電気ガス、JXホールディングス
<5020>の石油製品、国際石油開発帝石<1605>の鉱業などが下落しました。
新興市場では、東証1部ネット関連の活躍で中核銘柄のサイバーエージェント
<4751>、モブキャスト<3664>がしっかり。
値動きの軽いガンホー・オンライン
<3765>、フュートレック<2468>、アイレップ<2132>、低位の夢みつけ隊<2673>
などに短期資金集中が向かっています。
■■ 〜 本日の注目銘柄シューティング! 〜 ■■
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<7203>トヨタ 3,095円 前日比+90円(+3.00%)
上伸。
前営業日にも9月米自動車販売が高水準だったことに加え、野村證券が
自動車大手3社の投資判断「買い」を強調したほか、為替相場の円安推移を追
い風に物色を集めているようだ。
同業では日産自動車<7201>、ホンダ<7267>に
見直しが進んでいる。
<7751>キヤノン 2,500円 前日比−55円(−2.15%)
続落。
レーザービームプリンターのOEM供給先でもある米ヒューレット・パ
ッカードの利益見通しが市場予想に届かず、米国市場で売り込まれたことで、
同社株も連れ安する動き。
また、カメラ事業を有するニコン<7731>が業績観測
報道で売られたことも同社株の売りにつながっている。
<8802>三菱地所 1,504円 前日比+43円(+2.94%)
急伸。
賃貸市場の回復期待や根強い追加緩和観測で前営業日にも不動産業が業
種別株価指数騰落の値上がり上位となっており、前営業日の投資家向けミーテ
ィングを野村證券が評価したことも支援材料となったようだ。
同業の三井不動
産<8801>、住友不動産<8830>なども好調に推移している。