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明日の株新聞 「明日のSQ算出を注視 相場調整にも慌てず投資対象の選別を!」
明日の株新聞
欧州動向の先行き不透明感による円高進行、そして米大統領選通過も議会選挙結果で財政問題の懸念も強まり、調整色を強める米国市場に連れ安した本日の株式相場ですが、米大統領選の情勢に神経質な反応を見せた前営業日に続く神経質な反応ともいえ、ひとまずは相場の落ち着きが待たれる局面でしょうか。
日経平均株価は急落。
節目8900円だけでなく、先月半ばから下値を支えてきた25日移動平均線(8866.55円)や75日移動平均線(8887.59円)を割り込んできました。
前営業日配信版でも紹介していたように、欧州時間帯からは先物取引でダウ平均が上昇に転じ、米国市場にも続伸期待が高まっていましたが、その後は外部要因が急速に悪化。
取引時間中に確認していた時間外取引の米指数先物での30ドル前後のダウ平均下落を大きく上回る下落着地となり、米大統領選情勢に沿って反応していた東京市場は一気に売り込まれています。
前営業日配信版でも「米大統領選を消化 新テーマの準備を!」と題していましたが、まだ国内では決算発表シーズン終盤から、明日のオプションSQ算出を控えるなか、イベント通過待ちで全体観を傾け難い状況にあるうえ、外部要因の急速な悪化で買い難い局面だったのも影響したのではないでしょうか。
さて、明日にオプションSQ算出を控えていますが、前営業日から水準を切り下げた分、行使価格の8750円、9000円まで値幅があることから、波乱発生は想定し難いものの、当欄で紹介しているように、前場で伝わるSQ概算値や日中高安、場中の方向性を見ておきましょう。
投資戦略として推していた「決算銘柄を中心とした個別物色」ですが、本日では前営業日11月7日のインターネット会員A情報で買い推奨していたいすゞ自動車<7202>がわずか1営業日で目標株価を達成するなど、好決算銘柄は地合いを問わずに資金流入が見られました。
ただ、決算先回り買いや決算ディーリングもまだ決算発表が残っているからこそ狙える物色対象ですし、週明けで一巡する「決算シーズン後」は投資対象の切り替えを余儀なくされます。
そこで前営業日にも「新たな投資テーマを探っていきたいところ」とも締めていましたが、今はSQ算出日や決算銘柄の反応を見極めつつ、決算シーズン終了後から狙える新たな投資対象を選別する局面となるでしょう。
今日の東京市場から
昨晩の米国市場は大幅安。
欧州動向に先行き不透明感が強まったことや米大統領選でオバマ大統領の再選が決まるも議会情勢に大きな変化はなく、財政問題に対する懸念も強まっています。
欧州委員会がユーロ圏の経済成長率見通しを下方修正し、欧州各市場の主要株価指数が下落した流れを引き継いだほか、前営業日に投開票が行われた米大統領選でオバマ大統領の再選が決まるも前営業日にイベント通過後を見据えた先回り買いが入っていたほか、議会情勢に大きな変化はなく、財政問題に対する懸念が再認識される格好に。
取引開始から売り圧力が強まり、ダウ構成銘柄は全銘柄が下落。
欧州動向の流れからバンカメ、JPモルガンの大手金融、証券業のゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーが売られたほか、アップル、グーグルなどテクノロジーも安く、ほぼ全面安商状となりました。
また、1984年以降、7回実施された大統領選挙で、投票日のS&P500が平均で0.9%の上昇が見られた一方で、投票翌営業日には5回が下落した経緯もあり、アノマリー通りの売りも見られています。
ダウ平均株価は、前営業日比312.95ドル高の12,932.73ドル。
ナスダック総合指数は74.64ポイント安の2,937.29ポイントで取引を終えました。
為替相場では、欧州時間帯からユーロ売りが強まり、ドルも円に対して下落。
東京時間早朝では、1ドル79円台後半、1ユーロも101円台後半の円高水準で取引されています。
東京株式市場では、欧米市場の下落、為替相場の円高推移を嫌気した売りが先行。
日経平均株価は8868円の大幅安スタートに。
寄り付き後は、日経平均株価が節目8900円を下抜くなど、投げ売り先行から下げ渋ったものの、中国市場の軟調スタート観測とともに売り直されました。
昼休みを挟んで為替相場で円高が進んでいるほか、中国市場も下落しており、後場寄りから投げ売りを集める動きに。
日経平均株価は後場一段安となるも円買い一巡とともに取引終盤で下げ幅を縮めています。
日経平均株価終値は、135.74円安の8,837.15円。
東証1部の売買代金は概算で9581億円。
東証1部の売買高は概算で15億7377万株。
値上がり銘柄は233(13%)に対し値下がりは1346(80%)、変わらずは95(5%)となりました。
本日の注目相場
株価指数の下押しとともに中核銘柄が軟調。
トヨタ<7203>、ホンダ<7267>、の自動車、三菱UFJFG<8306>、三井住友FG<8316>のメガバンク、三菱商事<8058>、三井物産<8031>ら総合商社の大型株が総じて下げています。
また、ユーロ安とともにキヤノン<7751>、ソニー<6758>らの下げもきつく、ファナック<6954>、ファーストリテイリング<9983>、ダイキン<6367>ら日経平均構成比率上位の下落も株価指数を押し下げました。
売買代金上位では、純増数増加を好感した買いの続くソフトバンク<9984>がしっかり。
決算評価を集めたいすゞ自動車<7202>、ソーシャルゲーム関連のディー・エヌ・エー<2432>、グリー<3632>らの活躍も続いています。
セクターでは、業種別株価指数騰落の値上がりが原発断層調査の先送りで買われた関西電力<9503>のほか、東北電力<9506>、九州電力<9508>の電気ガスの1業種に限られました。
一方、値下がり上位では、王子ホールディングス<3861>ほか所属全銘柄が下落した紙パルプ、新日鉄住金<5401>、JFEホールディングス<5411>の鉄鋼、国際石油開発帝石<1605>、石油資源開発<1662>の鉱業など素材系業種が並んでいます。
また、所属全銘柄が下落した保険、三井不動産<8801>、三菱地所<8802>の不動産など金融関連業種やデンソー<6902>、日産自動車<7201>ら輸送用機器、東芝<6502>、三菱電機<6503>の電気機器など中核業種も続きました。
個別では、決算評価の三菱マテリアル<5711>、みらかホールディングス<4544>、東邦ホールディングス<8129>などが物色を集めています。
新興市場では、中核のサイバーエージェント<4751>、楽天<4755>が強く、ネット関連のエイチーム<3662>、モブキャスト<3664>もしっかり。
バイオ関連のナノキャリア<4571>、そーせい<4565>、テラ<2191>なども買われました。
本日の注目銘柄シューティング!
<7751>キヤノン 2,505円 前日比−65円(−2.53%)
急落。
全体調整に加え、欧州でユーロ圏経済成長率見通しの下方修正が伝わり、ユーロが下落するなか、欧州売上高比率の高い同社株に売りが出ているようだ。
ソニー<6758>、任天堂<7974>なども下落しており、欧州売上高比率の高い銘柄を敬遠する流れとなっている。
<7202>いすゞ自動車 448円 前日比+20円(+4.67%)
大幅高。
前営業日引け後に発表した第2四半期決算が事前予想を上回る好内容となり、通期予想も増額修正するなど、決算内容を評価した買いが入っている。
多くの銘柄が開示を済ませるなか、決算銘柄の短期物色も次第に細ってきており、特定銘柄に資金が集中しているようだ。
<2432>ディー・エヌ・エー 2,667円 前日比+25円(+0.95%)
続伸。
前営業日にも好決算を評価した買いが入っていほか、引け後にサイバーエージェント<4751>子会社との資本業務提携を発表しており、材料性も支援材料となっている。
同業のグリー<3632>、株式売却益の見込まれるサイバーエージェント<4751>も好調。
ソーシャルゲーム関連には外部要因に対する耐性も物色を誘っているようだ。