Index
■
明日の株新聞
「イベント通過待ちは変わらず アク抜け増加で決算銘柄に買い安心感」
■
本日の注目相場
「中核浮上も決算銘柄の物色目立つ アク抜け増加も」
明日の株新聞
良好な経済指標を確認した米国市場が大幅高、為替相場でも1ドル80円台回復と円安が進み、外部要因進展を手掛かりに中核銘柄物色を誘った本日の株式相場ですが、売買代金上位では決算銘柄が賑わいを見せるなかでもアク抜けも増えてきており、目先のイベント警戒の流れを打ち消しています。
日経平均株価は上伸。
今週は節目8900円を挟んでの往来が見られていましたが、外部要因改善を支援材料に大台9000円を奪回してきました。
今晩の米雇用統計、週末を控えた手仕舞い売りをこなしたあたりは、押し目買い意欲の高さが感じられます。
急速に買い進まれた株式相場ですが、昨日に「経済指標を確認した為替相場の反応で一喜一憂する神経質な展開はまだまだ続きそうです」としていたように、ひとまずは米国経済指標を好感した米国株高、円安推移に沿った買いが見られました。
ただ、今晩にも重要指標・米雇用統計を控えており、良好な内容が続くとも限らず、まだ現時点で相場の先行きを強気視するには早い段階。
株価指数は高値もみあいと買い気を見せましたが、外部要因進展が続いた場合の「持たざるリスク」を警戒する向きもあり、来週火曜日に米大統領選を控えるなかでは、まだイベント通過待ちの局面でしょう。
さて、前営業日配信版では「まだ神経質な全体相場 狙い目は個別の決算ディーリングで!」と題していました。
全体浮上を除いたとしても決算銘柄の三井不動産<8801>や場中決算開示の三菱商事<8058>、アク抜けのソニー<6758>らが好調に推移。
期待値の高かったニコン<7731>などは決算売りに押されていますが、やはり決算銘柄の値動きが目立っています。
やはり全体相場の方向性を見極めることに力を注ぐより、開示情報を確認したあと、着実な物色の見込まれる銘柄を中心とする決算ディーリングのほうが買い安心感があるのではないでしょうか。
来週も引け後の開示情報、そして場中開示銘柄のマークを怠らないようにしてください。
今日の東京市場から
昨晩の米国市場は大幅上昇。
良好な経済指標が揃い、買い優勢で推移しました。
この日発表された経済指標では、10月のISM製造業景況指数は51.7ポイントとなり、前月の51.5ポイントや市場予想の51ポイントを上回る結果に。
また、10月のコンファレンス・ボード消費者信頼感指数は72.2ポイントと、前月の68..4ポイントを上回り、景況感に対する警戒感が和らぐ格好に。
また、米商務省が発表した9月の建設支出は前月比0.6%増加と、ほぼ3年ぶりの高水準に増加したほか、10月のADP雇用統計で米民間部門雇用者数が前月比15万8000人増加と市場予想の13万1000人増加を上回る8カ月ぶりの大幅な伸びを記録。
米労働省が発表した先週の新規失業保険申請件数も前週から9000件減少の36万3000件となり、市場予想の37万件を下回るなど、翌営業日発表の米雇用統計に対する期待感も高まっています。
ダウ平均株価は、前営業日比136.16ドル高の13,232.62ドル。
ナスダック総合指数は42.83ポイント高の3,020.06ポイントで取引を終えました。
為替相場では、良好な経済指標が確認した米ドルが上昇。
東京時間早朝では、1ドル80円台を回復、1ユーロも103円台後半の円安水準で取引されています。
東京株式市場では、経済指標を好感した米国市場の上昇、為替相場の円安推移を受けて買いが先行。
日経平均株価は9049円の続伸スタートに。
寄り付き後は、日経平均株価の大台9000円回復で直近高値レベルを上抜き、買い優勢の流れに。
ただ、今晩にも重要指標・米雇用統計を控えているだけに、買い気が続かず、高値もみあいとなりました。
昼休みを挟んで為替相場で円買いが見られているほか、時間外取引の米指数先物も若干弱含んでおり、後場の日経平均株価は伸び悩む動きに。
ただ、直近高値抜けで押し目買い意欲は高く、終盤まで買い気は続いています。
日経平均株価終値は、104.35円高の9,051.22円。
東証1部の売買代金は概算で1兆1453億円。
東証1部の売買高は概算で18億8287万株。
値上がり銘柄は1185(70%)に対し値下がりは363(21%)、変わらずは134(7%)となりました。
本日の注目相場
外部要因進展による指数浮上とともに、トヨタ<7203>、ホンダ<7267>、コマツ<6301>ら国際優良株、三菱UFJFG<8306>、三井住友FG<8316>のメガバンク、日経平均株価構成比率上位のファナック<6954>、ソフトバンク<9984>なども上昇しています。
売買代金上位では、決算売りの続くパナソニック<6752>が進出。
ニコン<7731>、シャープ<6753>なども決算売りに押された半面、アク抜けのソニー<6758>、決算評価の三井不動産<8801>、場中開示で見直された三菱商事<8058>などが買われました。
決算銘柄に連れ高する格好で三井物産<8031>、三菱地所<8802>なども高く、伊藤忠<8001>、丸紅<8002>の総合商社、野村ホールディングス<8604>、オリックス<8591>の金融関連業種も物色を集めています。
セクターでは、大和証券<8601>、東海東京ホールディングス<8616>の証券、王子ホールディングス<3861>、日本製紙<3893>の紙パルプ、三井不動産<8801>、三菱地所<8802>の不動産などが業種別株価指数騰落の値上がり上位に入りました。
コマツ<6301>、東芝機械<6104>の機械、オリックス<8591>のその他金融、ブリヂストン<5108>、住友ゴム<5110>のゴム製品、デンソー<6902>、日産自動車<7201>の輸送用機器が続いています。
一方、値下がり業種では、決算売りに押されたニコン<7731>の属する精密機械、国際石油開発帝石<1605>、石油資源開発<1662>の鉱業の2業種に限られました。
個別では、決算評価の住友重機械工業<6302>、TBSホールディングス<9401>、マブチモーター<6592>、日本海洋掘削<1606>、減額アク抜けのブラザー工業<6448>、旭化成<3407>、自社株買いのイエローハット<9882>などが個別物色を集めています。
新興市場では、バイオ関連のナノキャリア<4571>、オンコセラピー・サイエンス<4564>、テラ<2191>、ラクオリア<4579>、電子書籍関連のイーブックイニシアティブジャパン<3658>、ナスダック上場申請のUBIC<2158>、軽量級の日本管理センター<3276>などが短期資金で賑わいました。
本日の注目銘柄シューティング!
<6758>ソニー 934円 前日比+19円(+2.08%)
急反発。
前営業日引け後に発表した上期決算で赤字を計上したものの、通期業績予想を据え置いたことが好感されたほか、昨晩の米国市場の上昇や為替相場の円安推移なども支援材料となり、見直し買いを集めている。
前営業日にパナソニック<6752>の決算売りで連れ安していたこともあり、悪材料出尽くしと見た買いも入ったようだ。
<7731>ニコン 1,928円 前日比−125円(−6.09%)
急反落。
前営業日引け後に発表した上期決算は事前予想を上回ったものの、通期業績予想の下方修正を発表しており、半導体露光装置の販売台数計画の下方修正もネガティブサプライズと受け止められたようだ。
ただ、最終利益は据え置かれたこともあり、売りが売りを呼ぶジリ安商状となっている。
<8058>三菱商事 1,454円 前日比+24円(+1.68%)
上伸。
昨晩からの外部要因改善を好感した買いが先行したほか、13時半に発表した上期決算を評価した買いを集めている。
事前に下方修正を発表していたこともあり、株価の下値耐性を備えていたことから、業績確認が実態再評価の契機となったようだ。