◆いまの住宅ローン金利が2.475%の人は、借り換えたほうがいいかも。
家計マネジメント・ラボ ファイナンシャルプランナー(CFP)の中村宏です。
つい先日の話。
このような方がいらっしゃいました。
A銀行の変動金利タイプの住宅ローンを借りていて、今の適用金利は2.475%。
ローン残高は3,000万円。
借りてから15年が過ぎており、残りの返済期間は14年です。
さて、変動金利タイプの金利は、今、多くの銀行の店頭金利は2.475%です。
店頭金利とは、「商品の定価」とでも考えてください。
しかし、新規で借りる場合は、大幅なキャンペーン金利を提示しています。
キャンペーン金利は、「商品の特価」とでもいいましょうか。
たとえば、B銀行の金利を見ると、いまの店頭金利は2.475%、そこから最
大▲1.625%引き下げ、実際の適用金利は0.85%になっています。
なお、このB銀行は、今後も返済期間のあいだ、ずっと、その時点の店頭
金利に対して、最大▲1.625%のようですね。
仮に店頭金利が3.0%だとしても、▲1.625%となり、適用金利は1.75%と
なります。
とすれば、冒頭の方は、どうせ変動金利でローンを借りるなら、A銀行の
2.475%より、B銀行の0.85%のほうがいいですね。
金利差は、1.625%もあります。
冒頭の方がローンを借りたころには、まだ、銀行間の住宅ローン競争が激
しくなく、キャンペーン金利がなかったのかもしれません。
「定価販売」が当たり前だったのかも・・・。
さて、返済総額を比較していましょう。
このままA銀行で返済を続けたときの返済総額は?(元利均等返済で金利
が変わらなかった場合:返済期間は残り14年)
3,553万円也。
いっぽう、B銀行の場合は、3,183万円です。
差額は、370万円にもなります。これが利息削減額。得するお金。
同じ変動金利タイプでです。
住宅ローンの借り換えとは、A銀行のローンを、B銀行からのローンで、
一括返済すること。
A銀行のローンがなくなる代わりに、B銀行のローンが残ります。ただ、
B銀行のローンは適用金利が低くなるので、お得になるんですね。
ただし、借り換えには、コストがかかります。
登録免許税。
登記費用。
融資手数料。
保証料。
など。
利息削減額からコストを差し引いた金額が、実際にトクするお金。
今回の事例は、「変動金利」でした。将来、店頭金利が5.0%になったら、
▲1.625%を差し引いても、適用金利は、3.375%。相当高くなります。
最後にこんなことを言うのもなにですが、個人的には、金利が高くなって
も「固定金利」に借り換えることがおすすめです。