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2011年1月31日月曜日

【生活マネー ミニ講座No.1735】家計マネジメントのススメ!!(1)

生活マネー ミニ講座:No.1,735(2011.1.31)

 ◆家計マネジメントのススメ!!(1)


 家計マネジメント・ラボ ファイナンシャルプランナー(CFP)の中村宏です。

 先週までは、「FPオフィス ワーク・ワークス」だったのですが、「F
P」という言葉はお客様にとってイメージしにくく、また、たくさんのFPが
人によって提供するサービスの考え方や内容が異なっているため、今後は、
「家計マネジメント」という言葉を使っていきたいと思います。

「ラボ」は「ラボラトリー」の略で「研究所(室)」や「実験室」などの意
味があります。

 ただ、「家計マネジメント」といっても、やっぱりわかりにくいかもしれ
ませんね。

「マネジメント」という言葉は、昨年、「もし高校野球の女子マネージャー
がドラッカーの『マネジメント』を読んだら」という本が爆発的に売れたの
で、多少お耳馴染みかもしれません。また、大手の会社にお勤めの方は、昔
から職場でふつうに使っていた言葉でしょう。


■家計マネジメントとは?

 家族が価値観を共有し、各ライフステージでの夢や希望、生活上の目標の
実現を目指して、世帯の収入や財産、スキルや技術などの資源を有効に活用
し、生涯を通して「お金」の心配がないようにすること。

 ひとことでいうと、「いまも満足、将来も安心の家計運営を、主体的、継
続的に実践していくこと」。主役は、国や企業ではありません。個人です。


■今年は、家計マネジメント元年!

 家計マネジメントの考え方は、おそらく、2000年くらいから必要だったの
でしょう。

 収入が右肩上がりで増えていく時代ではなくなってきました。ボーナスだ
けでなく、給料が減ってもおかしくない時代です。「希望退職制度」もいま
やすっかり当たり前になっています。

 一方、支出については、高齢化に伴って、医療、介護、年金を中心とする
社会保障費がアップしつづけ、現役世代の負担が徐々に増えてきつつありま
す。

 収入が頭打ちになり、意図しない支出が増えてきています。

 しかし、過去10年の変化は、それでもジワジワとやってきました。

 これからは違います。

「国の財政のムダを大幅に省くので、消費税をアップしなくても、これから
増える社会保障費をねん出できる」・・という話は、民主党政権2年目で、
幻想だったことがわかりました。

 たぶん、できないことはないのでしょうが、選挙が怖くて踏み込めない。

 結局、政権が変わっても、迫りくる課題や問題の解決方法は、同じだった
のです。

 これからは、増税(所得税や住民税、相続税、消費税など、生活に密着し
ている税金)と社会保険料の負担増がセットで私たちにのしかかってきます。

 1947年〜49年に生まれた約810万人もの団塊の世代が、65歳に達し、本格
的な年金受給世代になるのは、2012年、来年です。

 税金や社会保険料の負担増を解消する唯一の方法は、経済を成長させて、
ひとりひとりの収入を増やし、増えた収入の中から増える負担を賄うこと。

 しかし、これからは、都市も地方も、大企業も中小企業も、どの業界も、
というように、国全体がまんべんなく成長する時代ではありません。

 せいぜい、特定の一部の企業が成長する、あるいは、よくて、特定の産業
だけが成長するといった程度です。

 国も、企業も、これまでのように個人に優しくなれない時代です。

 だからこそ、私たちは、経済の最小の単位である足元の「家計」に、関心
を払う必要があります。

 家計の問題に、もっともっと主体的にかかわっていかなければなりません。

「将来のことはよくわからないから、考えないでおこう」という訳にはいか
ないのです。「働くので精いっぱい。他のことは考えられない」ではマズイ
のです。

 誰しも、勤労の目的の半分以上は、家計のためでしょう。
 家計の維持や継続という土台がなければ、生きがいや自己実現、自尊心な
どは吹き飛んでしまいます。

 家計マネジメントを行うことは、自分の人生に主体的にかかわること。

 家計でのお金の使い方を能動的に実践していく。家計の運営をもっと戦略
的に行うこと。

 このことは、生活の充実感や、そこから感じる豊かさなど、生活のクオリ
ティのアップにもつながる取り組みです。

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