◆昨年1年間で投信の半分弱の値段が下がった。
FPオフィス ワーク・ワークス ファイナンシャルプランナー(CFP)の
中村宏です。
いま、公募投資信託の本数は3,300本以上。
なぜこんなにたくさんあるのでしょう?
東京証券取引所第一部の上場株式銘柄数(約1,700)よりもはるかに多い。
理由は、流行に乗って、作っては作り作っては作り・・・。
ビルドばかりで、スクラップがないからです。
投信が増えてばかりいると、投資信託運用会社1社当たりの運用投信数が
増えます。それに比例して社員数が増えるようなことは、まあないでしょう
から、やがて、業務量がパンパンになり、運用品質が劣化することでしょう。
・・・すでにそうなっていてもまったく不思議ではありません。
結果的に、顧客である投資家が迷惑を被ってしまいます。
運用会社がそんなふうになっているのは、販売会社(銀行や証券会社など)
が強いている部分があります。・・・「とにかく売れる商品を作れ!」
経済状態がどうであっても、その時に売れる商品を作らせて売る。
一時的でいいのです。ブームが過ぎれば、別のものを作らせますから。
会社は、原則として常に成長していないといけません。どんなときでも売
り続けなくてはならないのです。
投資信託の評価を行っているリッパー・ジャパンによると、すべての投信
のうちの46%は、昨年1年間で基準価額(投信の値段)が下がっているとい
います。
投資信託総数の約半分。
人気の投信は、外国債券や海外のREITで運用するもの。そして、毎月分配
金が支払われるもの。
今年はどんな投資先、投資資産が人気を集めるのでしょう?
ブームの波に乗るのは簡単ですが、降りるのがきわめて難しい。
うまく降りることができてはじめて、「この投資は成功した!」と言える
のですよ。・・・載ってる最中ではありません。