◆日本の債務残高。先進国史上最悪に。
家計マネジメント・ラボ ファイナンシャルプランナー(CFP)の中村宏です。
国・地方を含む、日本の債務残高(借金額)は、2009年に名目国内総生産
(GDP)の217%に到達。統計で確認できる1875年以降で最悪になったよ
うです。
「1975年以降」ではありませんよ。「1875年以降」。過去約140年間で、です。
戦争でもしない限り、ふつうこんなことはないようです。
ただ、ニッポンが戦争に突入したあと、の敗戦前年の1944年でも204%だっ
たということは、GDP比だけみると当時よりもよくないですね。
戦時中は急速に債務残高が悪化しました。
今回は、1970年からジワジワと悪化しています。いわば、「ゆでガエル状
態」。変化が緩慢なおかげで、事態の深刻さに気が付かずに、ある日突然、
、、、、、ということになりかねない。
ただ、日本の国債(借金)のほとんどは、国内で消化されています。
つまり、国や地方にお金を貸しているのは、日本の国民なのです。
「だから問題ない。国民のお金を使って、国民のために国や地方が使ってい
るのだから・・・・」という話もよく耳に入ります。
しかし、借金をたくさん抱えている状態は、褒められたものでもありませ
んし、健全だという人もあまりいないでしょう。
また、日本の借金は、「国民のために」という題目で、実は、ムダに使わ
れていることも多いですから。
そのことは、みなさんすでにご存じで、なかなか既得権が壊れないことに
いらだった結果が、いま、愛知県、名古屋市、大阪府で起きていることでは
ないでしょうか?
ただ、私たち自身も、気づかないうちに「既得権者」になっているのかも
しれません。
非正規労働者からみると、正規労働者は、既得権者。
若者からみると、中高年は、既得権者。
女性からみると、男性は、既得権者。
地方に住む人からみると、都会の人は、既得権者。
自分だけを棚に上げようとする行為は、それこそ、既得権者にほかなりま
せん。
さて、歴史上、たくさんの債務を抱える国は、急激なインフレによる調整
か、債務不履行(デフォルト)に追い込まれる可能性が高いのだそうです。
しかし、可能性が高い、高いといわれて、それでも備えないのは、ニッポ
ン人の性格。
「地震」の対応をみていればわかります。
可能性が高いといわれるリスクには、「とりあえず、部分的にでも備える」
のが、生活の知恵だと思うのですが・・・・。