vol.1119 2011年1月12日号
○●○本日の流れ○●○
「ポルトガルの国債入札に注目！！」
昨日はユーロが上昇しました。 野田財務相が「日本政府はユーロ圏共同起債の
2割程度を購入する予定だ」と述べ、「EU（欧州連合）各国が4400億ユーロ規模の
救済基金の拡大について協議を行っている」と関係筋が明らかにしたことが要因です。
野田財務相がアイルランド支援の資金調達のために発行される債券購入に意欲を
示したことや、関係筋による発言で動揺が続いている債券市場の沈静化が一歩進むと
の見方が広がりました。依然としてポルトガルやスペインなどユーロ圏の国の財政状況を
めぐる懸念がユーロを圧迫していますが、先週末にユーロ圏高官が「ドイツ・フランスなどが
ポルトガルにEUとIMF（国際通貨基金）に金融支援を求めるよう迫っている」と述べたことで
（ドイツ・ポルトガルはこれを否定）、特にポルトガルに対する懸念が一段と高まっています。
こうしたなか、ポルトガルの5年物・10年物国債の入札が本日予定されています。
入札の焦点は落札利回りがどの程度になるのか？になりそうですが、もし高利回り（前回昨年
11月に実施した10年物国債入札の平均利回りは6.806％）となれば、"ポルトガルが市場で
資金調達を持続するのは難しく、いずれEUとIMFに頼らざるを得なくなる"との見方が広がる
可能性があります。そうなれば昨日、野田財務相とEU関係筋の発言で上昇したユーロは再び
下落する可能性があります。
このところ豪ドルが下落しています。オーストラリア（豪）北東部のクイーンズランド州で
発生している洪水が要因です。クイーンズランド州では昨年クリスマス時期の記録的な
大雨による洪水で鉱山閉鎖や交通網が遮断するなどの被害が出ており、州政府は被害は
50億豪ドルを超える可能性があるとの試算を出しています。マーケットでは"洪水が
豪経済に深刻な影響を与えるのでは？"との懸念がありますが、被害が同国第3の都市である
ブリスベンにも拡大してきたことで、経済をめぐる懸念は一段と高まっています。
また、洪水の被害拡大を受けて中央銀行のRBA（豪準備銀行）は政策金利の引き上げ
（利上げ）を遅らせるとの見方も浮上しており、そのことも豪ドルを圧迫しています。
豪ドルは洪水が収まるまではさらに下落する可能性がありますので注意が必要です。
○●○本日のオススメ○●○
「豪ドル/ドル」
豪ドル/ドルを売りたい。"本日の流れ"で述べたように、オーストラリアで発生して
いる洪水が豪ドルを押し下げそうです。特に豪ドル/ドルは昨年12月31日に一時
1.0254ドルまで上昇し、1983年のオーストラリアの変動相場制以降後の最高値を
記録するなど大幅に上昇していただけに、その反動も大きくなる可能性があります。
現在は0.98ドル台で推移してますが、今後0.95ドル前後まで下落する可能性があります。
○豪ドル/ドルのスワップ金利
買い ＋1.21ドル 売り -1.26ドル
○●○本日の主要経済指標○●○ 〜三ツ星オススメ度つき〜
☆ 08:50 【日】国際収支-経常収支-11月
（予想：9725億円 結果：9262億円 前回：1兆4362億円）
☆ 08:50 【日】国際収支-貿易収支-11月
（予想：2977億円 結果：2597億円 前回：9129億円）
☆ 18:30 【英】商品貿易収支-11月
（予想：-83.50億GBP 結果----- 前回：-85.29億GBP）
☆ 19:00 【欧】鉱工業生産-11月
（予想：0.5％ 結果----- 前回：0.7％）
☆ 19:00 【欧】鉱工業生産-11月（前年比）
（予想：5.9％ 結果----- 前回：6.9％）
☆ 22:30 【加】新築住宅価格指数-11月
（予想：0.1％ 結果----- 前回：0.1％）
☆ 22:30 【米】輸入物価指数-12月
（予想：1.2％ 結果----- 前回：1.3％）
☆ 22:30 【米】輸入物価指数-12月（前年比）
（予想：4.7％ 結果----- 前回：3.7％）
☆☆ 28:00 【米】地区連銀経済報告（ベージュ・ブック）
