2013年8月27日火曜日
証券ディーラー「プロの視点」(8/27)
■■ 〜 明日の株新聞 〜 ■■米国時間帯での外部要因軟化も東京時間帯で一旦は持ち直したあと、午後から再度軟化しており、売り先行から浮上したあと再び売り直される展開となった本日の株式相場ですが、売買代金上位では中核銘柄を避けて材料性や需給妙味に基づく物色が確認されるなど、不安定な外部要因を避ける意識が高まっています。日経平均株価は続落。朝安から切り返すも、後場で売り直される「往って来い」の展開となりました。前営業日も買い先行から伸び悩むなど、直近の内容から戻り売り圧力が確認されているものの、下落時も5日移動平均線(13525.74円)での抵抗が見られるなど、水準を探る意識も働いています。日経平均株価は前営業日は23日の値幅内での推移となり、思惑が交錯していましたが、今日の取引内容も外部要因で振られる状況。前営業日配信版では「目先には、今日の日中高安、そして前営業日高安を抜けるかどうか、がポイントとなるのではないでしょうか」と記していました。「下値では節目13600円、前営業日に奪回した5日移動平均線、上値では『好転』につながるための25日移動平均線、75日移動平均線が揃う大台14000円奪回が目標となってくるでしょう」としましたが、節目13600円割れ、そして5日移動平均線(13525.74円)近辺での抵抗が見られています。このまま明日も5日移動平均線との攻防がベースとなりますが、今晩からの「外部要因次第」といった面が強く、相場の先行きは見極めにくい状況。前述したように、物色傾向でも中核銘柄を避け、値動きの良い材料株やテーマ株、そして新興市場銘柄などが選好されているのではないでしょうか。そこで前営業日配信版でも「相場の先行きが見極めにくい局面では新興市場銘柄を狙え!」と題していました。売買代金上位で賑わいを見せたジャスダック所属のガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>などは、今年3月のレポート銘柄としても抜擢。当時から分割修正後で3倍高水準となっているほか、昨年9月のレポート提供後は高値ピークまで55倍まで上昇したあと、調整後の時価水準でも20倍高レベルにあるなど、値動きの良い新興市場銘柄は資産株投資視点でもマークが怠れないのではないでしょうか。具体的な銘柄選別のポイントは、本日販売を締め切った「厳選5銘柄付き市況分析レポート」にまとめていますが、相場環境が不安定な状況では、外部要因に左右されにくい新興市場所属の成長株が狙い目となるでしょう。■■ 〜 今日の東京市場から 〜 ■■昨晩の米国市場は反落。経済指標結果で金融緩和縮小観測が後退し、堅調に推移していたものの、シリア情勢による米国介入が懸念され、地政学的リスクの高まりとともに売り直されています。7月の米製造業耐久財受注額は前月比で7.3%減少となり、2012年8月以来で最大の減少率に。市場予想の4%減を大きく下回った結果、金融緩和縮小観測が後退し、買い優勢の展開となっていました。ただ、混迷するシリア情勢を受け、オバマ米大統領は化学兵器使用についてシリア政府に責任を負わせる意向を示したことで、米国介入の可能性から地政学的リスクが高まり、売り直されています。ダウ平均株価は、前営業日比64.05ドル安の14,946.46ドル。ナスダック総合指数は0.22ポイント安の3,657.57ポイントで取引を終えました。為替相場では、経済指標軟化による金融緩和縮小観測でドル売りが強まり、地政学的リスクの高まりも売りを支援。東京時間帯早朝では、1ドル98円台前半、1ユーロ131円台半ばの円高水準で取引されています。東京株式市場では、米国株安、為替相場の円高推移を嫌気した売りが先行。日経平均株価は13551円の続落スタートに。寄り付き後は、日経平均株価の5日移動平均線攻防を乗り越えたことで、円買い一巡後に下げ渋る動き。プラス圏に浮上する場面も見られました。昼休みを挟んで円高一服を確認、円安推移とともに後場からは日経平均株価がプラス圏で推移する場面が見られたものの、再び円買い圧力が強まると売り直される格好。前場寄り付き水準まで切り下げています。日経平均株価終値は、93.91円安の13,542.37円。東証1部の売買代金は概算で1兆4323億円。東証1部の売買高は概算で17億1319万株。値上がり銘柄は495(28%)に対し値下がりは1098(62%)、変わらずは158(9%)となりました。■■ 〜 本日の注目相場 〜 ■■指数が下げ渋りから売り直されるなど、安定感を欠くなか、中核銘柄ではトヨタ<7203>、三井住友FG<8316>が安く、ソフトバンク<9984>、ファーストリテイリング<9983>など日経平均株価構成比率上位も売られるなど、大型株が苦戦しています。一方、全体相場から離れた個別材料株が活況。汚染水対策で国の支援期待が高まった東京電力<9501>が大幅反発。ユナイテッド<2497>、アドウェイズ<2489>ら新興軽量級が売り直されたことで、ガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>にも資金還流が確認されました。プレイステーション4の活躍期待でソニー<6758>も好調を維持。iPhone投入期待のNTTドコモ<9437>など材料性に基づく物色が見られています。また、テーマ性でMUTOHホールディングス<7999>、群栄化学<4229>の3Dプリンター関連が賑わいを見せ、直近の調整から持ち直してきたJトラスト<8508>なども売買代金上位に進出するなど、周辺銘柄の商いが増加しました。セクターでは、業種別株価指数騰落の上昇が東京電力<9501>の電気ガス、三菱マテリアル<5711>、住友鉱山<5713>の非鉄、日本航空<9201>の空運など6業種に限られています。一方、値下がり上位には、三井不動産<8801>、三菱地所<8802>の不動産、ブリヂストン<5108>、住友ゴム<5110>のゴム製品、国際石油開発帝石<1605>の鉱業などが並びました。個別では、自社株買いのスタンレー電気<6923>、増額の菱洋エレクトロ<8068>、格上げの古河電気工業<5801>、日東電工<6988>などが材料物色を集めています。新興市場では、全市場の売買代金上位にも進出したガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>の活躍が目立ち、ユナイテッド<2497>、アドウェイズ<2489>らが売り直される展開。モルフォ<3653>、アンジェスMG<4563>、C&Gシステムズ<6633>、リプロセル<4978>なども買われました。■■ 〜 本日の注目銘柄シューティング! 〜 ■■<9501>東京電力 531円 前日比+58円(+12.26%)大幅反発。福島第一原子力発電所の汚染水漏洩で売られた流れから、9営業日ぶりに切り返してきている。福島第一原子力発電所の汚染水対策で茂木経済産業相が「国が前面に出る必要がある」と発言したことで、国の支援を見込んだ見直し買いを集めたようだ。<6758>ソニー 2,037円 前日比+56円(+2.83%)続伸。プレイステーション4の発売を前に先週段階で予約注文が100万台を超えたとの報道が伝わり、期待感が高まっているようだ。来月から開催されるエレクトロニクスショーでスマートフォン「エクスペリア」のプロモーションに対する期待感もあり、個別材料性で賑わっている。<3765>ガンホー・オンライン・エンターテイメント 64,000円 前日比+8,200円(+14.70%)大幅高。とくに新規材料は伝わっていないものの、このところ賑わっていたユナイテッド<2497>、アドウェイズ<2489>らが利益確定売りに押されており、新興軽量級のなかで資金循環が確認されている。高値から大幅調整を余儀なくされたことで値頃感もあるようだ。