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2012年9月18日火曜日

証券ディーラー「プロの視点」(9/18)

■■ 〜 明日の株新聞 〜 ■■

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欧米を中心とした外部要因に大きな変化はなく、平穏な立ち上がりとなった三
連休明けの株式相場ですが、株価指数は小動きに終始する一方で、物色傾向は
反日デモの影響が懸念される中国関連には売りが広がる結果に。
米国発の追加
金融緩和効果で全面高商状となった前営業日から選別色が強まる格好となって
います。


日経平均株価は小反落。
日中値幅は60円に限られるなど、値固め意識の高まり
が感じられました。
下方では5日移動平均線(9009.13円)と25日移動平均線(
8981.50円)がゴールデンクロスを形成しています。


週末三連休となった東京市場ですが、休場中も前述の通り欧米を中心とする外
部要因の変化は限られました。
欧米市場では追加金融緩和効果で活況を呈した
先週後半から、週明けには利益確定売りが主導したものの、各国株価指数は本
日の日経平均株価と同様に値固め意識の高まりが見て取れる取引内容となって
います。


前営業日配信版では「重要イベントを好感 ここからの相場環境、物色対象の
変化は?」と題していましたが、週末配信版でも伝えたように、基本線では緩
和圧力を背景としたドル売りを見極めつつ、金融緩和効果によるファンダメン
タルズ改善、過剰流動性相場到来の期待とともに見込まれる相場浮上。
そして
恩恵の見込まれる金融関連や市況関連など、物色対象の変化に備えるスタンス
が軸となるのではないでしょうか。


「まだ基本線では近視眼的な投資対象が無難ですが、来週はイベントを注視し
つつ、少しずつ物色対象のシフトを考慮していきましょう」とも締めていまし
たが、本日では9月11日のインターネット会員A情報で買い推奨していたバイ
オ関連のタカラバイオ<4974>が目標株価を達成。
前営業日にも紹介していたト
ランスジェニック<2342>に続くバイオ関連の活躍が見られました。


明日にも日銀金融政策決定会合での金融政策から日銀総裁会見のイベントが控
えるなかでは、まだ近視眼的な物色対象が存在感を発揮する局面だったのでは
ないでしょうか。
通常では昼休みから後場寄りで明らかとなる当局の金融政策
動向、そして引け後の日銀総裁会見を見極めたいところ。


物色対象の変化についても中国関連には反日デモの影響による売りが出ている
ものの、市況関連などは底堅く推移。
まだ、明日のイベント注視の流れとなっ
ていますが、追加金融緩和効果による相場浮上、そして緩和効果が追い風とな
る物色対象へのシフトに備えていく局面との見方に変更はありません。


■■ 〜 今日の東京市場から 〜 ■■

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昨晩の米国市場は反落。
経済指標軟化が嫌気されたほか、直近の活況相場から
の利益売りも出ています。


9月のニューヨーク連銀地区製造業景況指数がマイナス10.4ポイントとなり、
市場予想のマイナス2ポイント、前月のマイナス5.9ポイントを大きく下回る結
果に。
経済指標軟化を嫌気した売りが押し下げました。


ただ、主要株価指数となるダウ平均は前営業日まで4日連続で上昇するなど、
活況を呈していたこともあり、量的緩和第3弾(QE3)の開始決定で上げ幅
を拡大した先週末の流れからの利益確定売りも出ています。


ダウ平均株価は、前営業日比40.27ドル安の13,553.18ドル。
ナスダック総合指
数は5.28ポイント安の3,178.67ポイントで取引を終えました。


東京市場休場前となる13日終値の価格水準と比べると、ダウ平均は13,539.86ド
ル→13,553.18ドル(13.32ドル上昇)。
ナスダック総合指数は3,155.83ポイン
ト→3,178.67ポイント(22.84ポイント上昇)となっています。


為替相場では、先週末のリスク先行の円安推移が継続しており、米国時間帯で
は円が買い直されたものの、東京時間早朝では、1ドル78円台半ば、1ユーロ
103円台前半の水準で取引されました。


東京株式市場では、為替相場で円安推移が見られたものの、先週に追加金融緩
和の伝わった米国市場の上昇分が限られたこともあり、売り買い交錯の立ち上
がり。
日経平均株価は9155円の小反落スタートに。


寄り付き後は、週末に中国での大規模な反日デモが伝わり、中国関連には売り
が出ているものの、日経平均株価は前営業日終値付近でもみあう動き。
押し目
買いとともにプラス圏に浮上しました。


昼休みを挟んで為替相場で若干の円高推移が見られており、後場寄りでは売り
が先行。
前場でプラス圏に浮上していた日経平均株価は再びマイナス圏に沈む
も日中値幅は60円に限られています。


日経平均株価終値は、35.62円安の9123.77円。
東証1部の売買代金は概算で1
兆1941億円。
東証1部の売買高は概算で17億9720万株。
値上がり銘柄は956(5
6%)に対し値下がりは567(33%)、変わらずは158(9%)となりました。


■■ 〜 本日の注目相場 〜 ■■

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売買代金上位では、日産自動車<7201>、ホンダ<7267>、コマツ<6301>、ファー
ストリテイリング<9983>、セブンアイ<3382>ら中国関連が軟調。
反日デモの影
響を懸念した売りが出ています。


一方で、円安推移を追い風にソニー<6758>、キヤノン<7751>、東芝<6502>、任
天堂<7974>などが堅調。
国際優良株のなかでも中国との関係性の低い銘柄が資
金シフトを取り込みました。


材料性では、自社株買いの住友鉱山<5713>、原発ゼロ目標まで猶予がある関西
電力<9503>、過剰流動性期待の根強さから、三菱商事<8058>、国際石油開発帝
石<1605>なども底堅く推移しています。


セクターでは、関西電力<9503>ほか中部電力<9502>、電源開発<9513>など電気
ガスが業種別株価指数騰落の値上がり最上位に。
国際石油開発帝石<1605>の鉱
業、任天堂<7974>のその他製品、JXホールディングス<5020>の石油製品など
が続きました。


ソニー<6758>、キヤノン<7751>、東芝<6502>ら電気機器、住友鉱山<5713>の非
鉄、野村ホールディングス<8604>、大和証券<8601>の証券業なども買われてい
ます。


一方、ファーストリテイリング<9983>、セブンアンドアイ<3382>、イオン<826
7>ら反日デモの影響を懸念した小売業が値下がり最上位に。
日産自動車<7201>、
ホンダ<7267>の輸送用機器なども下げました。


中国関連ではピジョン<7956>、ユニチャーム<8113>、平和堂<8276>なども安く、
見切り売りが広がっています。


新興市場では、中核のサイバーエージェント<4751>、デジタルガレージ<4819>
の上昇が目立つ程度で、直近IPOのリブセンス<6054>、エイチーム<3662>、
ネット関連のガンホー<3765>、バイオ関連のテラ<2191>、タカラバイオ<4974>、
低位の岡本硝子<7746>、プリンシバル・コーポレーション<3587>などが賑わい
ました。


■■ 〜 本日の注目銘柄シューティング! 〜 ■■

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<7201>日産自動車 701円 前日比−37円(−5.01%)

急落。
自動車メーカーでも中国展開で先行していたこともあり、中国で広がる
反日デモの影響を懸念した売りに押されたようだ。
同じくホンダ<7267>やコマ
ツ<6301>、小売でもファーストリテイリング<9983>、セブンアイ<3382>、ピジョ
ン<7956>、ユニチャーム<8113>、平和堂<8276>など中国関連株の下げが目立っ
た。

<6758>ソニー 1,027円 前日比+44円(+4.48%)

続伸。
為替相場の円安推移が追い風となったほか、月内にもオリンパス<7733>
と資本業提携で合意するとの観測報道が伝わっており、材料物色を集めたよう
だ。
同社も中国工場を擁しているものの、国際優良株のなかでは反日デモによ
る影響は軽微と受け止められたことも買い安心感につながっている。

<9503>関西電力 579円 前日比+39円(+7.22%)

大幅高。
政府が2030年代に原子力発電所の稼働をゼロにする計画を盛り込んだ
エネルギー戦略を決定する一方で原発工事継続を認める方針を示しており、原
発ゼロ計画は努力目標との印象が高まったことから、見直し買いを集めている。

電源開発<9513>などとともに物色を集め、電気ガスが業種別株価指数騰落の値
上がり最上位となった。

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