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直近の決算発表予定

2012年9月14日金曜日

証券ディーラー「プロの視点」(9/14)

■■ 〜 明日の株新聞 〜 ■■

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注目された米連邦公開市場委員会(FOMC)声明で量的緩和第3弾(QE3)
の開始を決定。
米国市場が買い進まれ、為替相場では緩和圧力による一時的な
円高推移が見られたものの、リスク選好の流れでユーロ高、ドルも買い直され
るなど、外部要因進展とともに買い優勢の流れとなった本日の株式相場ですが、
物色は前営業日の近視眼的な対象から緩和効果の見込まれる中核銘柄にシフト。

SQ売買が加わったとはいえ、現物株物色の伴った指数上昇が見られています。


日経平均株価は大幅続伸。
寄り付き算出のSQ概算値9076.79円を確認すると一
気に9100円台を奪回しました。
アジア市場や円安推移など場中のリスク選好の
流れとともに上値を目指すも節目9200円手前で失速、取引終盤にかけては週末
三連休を意識した手仕舞いが出た格好でしょうか。


買い材料視された米連邦公開市場委員会(FOMC)の追加金融緩和発動です
が、前営業日配信版では「現時点で政策内容を先読みするのは困難ですが」と
の前置きとともに「ここ連日の先回りの流れを踏まえた上では、株式相場では
緩和確認が一応の支援要因となりそう。
ただ、為替相場では緩和圧力によるド
ルに対する円高推移の可能性を考慮しておくべきでしょうか」とも記していま
した。


想定通りに株式相場では緩和政策確認とともに買いが優勢に。
反応としてはこ
こ連日の先回りの流れを汲みつつも、追加金融緩和実施が概ね好感される格好
となっています。


SQ算出日取引としてもSQ概算値確認から買い優勢となり、後場では週末三
連休を意識した手仕舞いに押されるも堅調な推移に。
さらなる外部要因進展を
考慮した「持たざるリスク」に備えた動きとはなりませんでしたが、日中推移
を見る限りは相場の先行きに対して期待感の持てる内容だったのではないでしょ
うか。


ただ、為替相場では追加緩和が伝わった直後には、急激な円高推移が見られる
など、緩和圧力を背景としたドル売り圧力は無視できない状況。
そこで注目さ
れるのが、来週の連休明けから開催される日銀金融政策決定会合でしょう。

国で追加緩和政策が伝わり、緩和効果によるドル売り圧力が見られるなか、円
高対応を軸に当局の金融政策から日銀総裁会見まで、再びイベント注視の流れ
となりそうです。


さて、前述したように、物色傾向としては前営業日までイベント警戒の流れの
なかで見られていた近視眼的な対象から緩和効果の見込まれる中核銘柄にシフ
トしました。


当欄では「イベント直前で思惑交錯 やはり現物物色は短期志向に」と題して
「金融緩和発動時にも過剰流動性相場到来の期待が恩恵となり、難地合いのな
かでも短期資金を集められる『リスキーながらもよりハイリターンが見込める
投資対象』は依然として狙い目との見方に変更はありません」とも締めていた
と思います。


金融緩和発動による過剰流動性相場到来の期待を追い風として、9月12日のイ
ンターネット会員A情報で買い推奨していたバイオ関連のトランスジェニック
<2342>がわずか2営業日で目標株価を達成。
また、先月28日に配信した厳選5
銘柄付きレポート「IPO投資の決定版! 将来性有望な【新規公開株!】」
提供銘柄のリブセンス<6054>がレポートの目標株価となる10%上昇率を記録す
るなど、需給妙味に着目した物色は継続しました。


ただ、今後は金融緩和効果によるファンダメンタルズ改善、過剰流動性相場到
来の期待が漂うなかでは、恩恵の見込まれる金融関連や市況関連など、これま
で苦戦を強いられてきた中核銘柄に対する見方も変わってきます。
さらに当局
による円高対応が加わるとなると、売り込まれていた外需関連なども見直しが
進みそう。
まだ基本線では近視眼的な投資対象が無難ですが、来週はイベント
を注視しつつ、少しずつ物色対象のシフトを考慮していきましょう。


■■ 〜 今日の東京市場から 〜 ■■

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昨晩の米国市場は大幅上昇。
米連邦公開市場委員会(FOMC)声明で量的緩
和第3弾(QE3)の開始決定を伝え、過剰流動性相場への期待感から買い優
勢で推移しています。


FOMC金融政策発表を控え、立ち上がりでは様子見ムードを強めたものの、
伝わったFOMC声明では、フェデラルファンド(FF)金利の低金利状態を
維持し、景気浮揚に向け住宅ローン担保証券(MBS)の毎月購入する量的緩
和第3弾(QE3)を明らかにし、過剰流動性相場への期待とともに買い気を
強めました。


声明発表後のバーナンキFRB議長記者会見でも「継続的かつ持続的な労働市
場の改善を期待している」と発言したほか、短期債を売却し、期間が長めの証
券を同額購入する「オペレーション・ツイスト(ツイストオペ)」を継続する
方針も伝えるなど、積極的な金融緩和方針を明らかにし、ダウ構成銘柄は全銘
柄が上昇。
ほぼ全面高商状となっています。


ダウ平均株価は、前営業日比206.51ドル高の13,539.86ドル。
ナスダック総合指
数は41.51ポイント高の3,155.83ポイントで取引を終えました。


為替相場では、FOMC声明発表での金融緩和方針で緩和圧力によるドル売り
が出たものの、株式相場のリスク選好の流れとともに円が売り直される展開。

東京時間早朝では、1ドル77円台半ば、1ユーロ100円台後半の水準で取引され
ています。


東京株式市場では、SQ算出に絡んだ思惑注文を集めたものの、米国市場の上
伸や為替相場でも東京時間帯からの円安基調確認を受けて買い注文が先行。

経平均株価は9097円の続伸スタートに。


寄り付き後は、SQ概算値は9076.79円が伝わるも原資産の日経平均株価の910
0円台回復もあり、買い気を強める格好。
為替相場での円安基調も支援材料に上
値志向を強めました。


昼休みを挟んでアジア市場の好調推移、為替相場の円安推移とともに後場寄り
から買い優勢。
日経平均株価は後場一段高とリスク選好の流れが一段と強まっ
たものの、節目9200円直前で失速するなど、後場終盤では週末三連休を控えて
の手仕舞い売りが出ています。


日経平均株価終値は、164.24円高の9159.39円。
東証1部の売買代金は概算で1
兆6268億円。
東証1部の売買高は概算で24億9543万株。
値上がり銘柄は1243(
73%)に対し値下がりは352(20%)、変わらずは80(4%)となりました。


■■ 〜 本日の注目相場 〜 ■■

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米国市場で伝わった米連邦公開市場委員会(FOMC)声明での量的緩和第3
弾(QE3)の開始が買い材料視され、金融関連の三井住友FG<8316>、三菱
UFJFG<8306>、証券の野村ホールディングス<8604>、低金利が追い風とな
る三井不動産<8801>、三菱地所<8802>の不動産などが全面高となっています。


過剰流動性相場への期待感から、市況関連となる建機のコマツ<6301>、総合商
社の三井物産<8031>、三菱商事<8058>、鉱業の国際石油開発帝石<1605>なども
好調。
金関連の住友鉱山<5713>の上昇も目立ちました。


売買代金上位では、メジャーSQ算出で指数誘導を狙った思惑売買の集中から、
ファーストリテイリング<9983>、ファナック<6954>、ソフトバンク<9984>、キ
ヤノン<7751>、京セラ<6971>など日経平均構成比率上位銘柄が進出。
前営業日
に物色を集めたディー・エヌ・エー<2432>、グリー<3632>などは小動きとなっ
ています。


セクターでは、国際石油開発帝石<1605>、石油資源開発<1662>の鉱業、住友鉱
山<5713>、三菱マテリアル<5711>の非鉄の市況関連、売り込まれていた商船三
井<9104>、川崎汽船<9107>の海運、新日本製鐵<5401>、JFEホールディング
ス<5411>の鉄鋼なども業種別株価指数騰落の値上がり上位に並びました。


所属全銘柄が上昇した保険、野村ホールディングス<8604>、大和証券<8601>の
証券など金融関連が続き、JXホールディングス<5020>、出光興産<5019>の石
油、旭硝子<5201>、日本板硝子<5202>のガラス製品など、素材系業種も買われ
ています。


一方、JR東日本<9020>、JR西日本<9021>の陸運、全日本空輸<9202>の空運
業、セブンアンドアイ<3382>、ローソン<2651>の小売など、内需関連業種が売
られました。


新興市場では、中核のサイバーエージェント<4751>、楽天<4755>、デジタルガ
レージ<4819>ら直近で賑わいを見せていたネット関連が振るわず。
活況呈する
東証1部への資金シフトが見られています。
短期物色は直近IPOのリブセン
ス<6054>、エムアップ<3661>、エニグモ<3665>、バイオ関連のトランスジェニ
ック<2342>、低位のコスモスイニシア<8844>、岡本硝子<7746>などに限られま
した。


■■ 〜 本日の注目銘柄シューティング! 〜 ■■

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<9983>ファーストリテイリング 18,790円 前日比+390円(+2.12%)

上伸。
メジャーSQ算出日取引を迎え、日経平均構成比率上位のファナック<6
954>、ソフトバンク<9984>、キヤノン<7751>、京セラ<6971>などとともに指数
誘導を狙った思惑売買を集め、全市場の売買代金上位に進出している。
場中も
指数浮上とともに堅調展開を見せた。

<8316>三井住友FG 2,585円 前日比+111円(+4.49%)

大幅高。
昨晩の米国市場で伝わった米連邦公開市場委員会(FOMC)声明で、
量的緩和第3弾(QE3)の開始が明らかとなり、米国金融関連の上昇に連れ
高している。
同業の三菱UFJFG<8306>、証券の野村ホールディングス<860
4>、低金利が追い風となる三井不動産<8801>、三菱地所<8802>の不動産なども
買われた。

<5713>住友鉱山 1,010円 前日比+87円(+9.43%)

暴騰。
米連邦公開市場委員会(FOMC)声明での量的緩和第3弾(QE3)
の開始とともに過剰流動性相場への期待感が高まり、インフレ・ヘッジで商品
相場が上昇。
金関連とされる同社株の上昇が目立っている。
市況関連となるコ
マツ<6301>の建機、三井物産<8031>、三菱商事<8058>の総合商社、国際石油開
発帝石<1605>の鉱業なども物色された。

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