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2011年1月27日木曜日

【生活マネー ミニ講座No.1733】フラット35Sにはほとほと困る民間金融機関。

生活マネー ミニ講座:No.1,733(2011.1.27)

 ◆フラット35Sにはほとほと困る民間金融機関。


 FPオフィス ワーク・ワークス ファイナンシャルプランナー(CFP)の
中村宏です。

 落ち着いて考えてみると、ちょっとヘンなのです。

 フラット35というのは、政府系金融機関「住宅金融支援機構」が関与して
いる住宅ローンです。

 この住宅ローンだけには、一定以上の品質の住宅を作ったら、当初10年間、
金利を1%優遇するというルールがあります。
 この仕組みを、「フラット35S」といいます。「S」がつくんです。

 金利1%分は誰が負担するのか?・・・というと、みんなが支払った税金
です。

 こんなことされると、民間金融機関は、困ります。
 自分の銀行が作って売っている住宅ローンには、そんなのありません。
 顧客に優遇金利で喜んでもらうには、汗を流して経営努力するしかありま
せん。コストを削減するなどするしか方法がないのです。

 いっぽうフラット35Sは、国民が支払ったお金を使った値引き販売です。

 競争力のある住宅ローン商品を自前で開発・販売している金融機関ほど、
経済対策としてできたこの仕組みを、煮えくり返るような思いで見ているか
らもしれません。


 もともとフラット35という住宅ローンは、長期固定金利タイプの住宅ロー
ン。

 最初に返済期間中の金利が決まり、その後は動きません。
 返済金額があらかじめ分かっているので、お客さんにとって金利変動リス
クがありません。

 途中で金利が上がって返済額がいくらになるかわからないという不安がな
いのです。

 いま、フラット35の金利を優遇するフラット35Sが大人気です。
 金利が固定されて返済額が変わらない安心に加えて、最初の10年間は1%
もの大幅な金利優遇があるからです。

 ただ、これを選ぶときには、注意すべき点があります。

 取り扱っている金融機関はふつうの民間金融機関なのですが、どの金融機
関でフラット35Sを申し込むかで、適用金利が異なります。

 もともと、民間金融機関はフラット35の金利を自由に設定して販売しても
構わないというルールがあります。

 したがって、同じ商品でも選ぶ金融機関によって値段が違うのです。

 たとえば、A銀行のフラット35の金利は、3.0%。
 B銀行は、2.7%。
 C銀行は、2.5%。
 というようになっています。

 フラット35Sは、これらの金利に対して、当初10年間▲1%です。

 つまり、A銀行のフラット35Sの当初金利は、2.0%。
 B銀行は、1.7%。
 C銀行は、1.5%。

 金利だけでくらべると、C銀行が最もお得になりますね。

 フラット35Sを選ぶときには「どの金融機関から購入するか?」が最大の
注意点です。

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