生活マネー ミニ講座:No.1,707(2010.12.7)
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◆「配偶者控除」は金持ち優遇?
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FPオフィス ワーク・ワークス ファイナンシャルプランナー(CFP)の
中村宏です。
まず最初に、昨日のおさらいを・・・。
「所得控除」には、生活保障的な意味合いがあるといいました。
「配偶者控除」もそうですが、その他に「扶養控除」などがあります。
これら「所得控除」には、世帯主が自分の稼ぎで養う家族の人数に応じて
税金を優遇する生活保障的な意味合いがありつつも、実は、収入の多い世帯
ほど優遇幅が大きくなるという矛盾を抱えているという話をしました。
ほんとうに、生活保障的な配慮が必要なのは収入の少ない世帯だけなのに・・・。
個人の所得にかかる税金は、所得税と住民税です。
所得税は、所得が多くなるほど、高い税率が掛けられます。
最低税率は5%ほど。最高は40%です。
世の中には所得税率が5%の方もいれば、40%の人もいます。
いっぽう、住民税は一律10%です。
さて、配偶者控除を例にとって、所得控除が所得の多い世帯ほど優遇幅が
大きいことをみてみましょう。
配偶者控除は、年収103万円以内の配偶者がいた場合、世帯主の所得から
38万円を控除できるという仕組みです。
つまり、「(所得−38万円)×税率」ということ。この式を分解すると
「(所得×税率)−(38万円×税率)」になります。
したがって、所得控除の税制優遇の具体的な金額は、「38万円×税率」で
計算できます。
所得の低い世帯主の場合、所得税率は5%ですから、配偶者控除の恩恵は、
38万円×5%=19,000円です。
所得の多い世帯主の所得税率は40%。配偶者控除の恩恵は、38万円×40%
=152,000円になります。
比較してみてください。
おわかりでしょう。
配偶者控除だけでなく、扶養控除などを含め、所得控除にはこのような矛
盾を抱えているのです。
民主党が「控除から手当へ」と言っているのは、この矛盾を解消する方法
でもあり、正しい主張をしているんですね。
低所得者も高所得者も、子ども1人当たり定額の13,000円ですから、所得
控除よりも理屈に合うやりかたなのです。
ただ・・・・
来年からの3歳未満の子ども手当、1人2万円の財源は、配偶者控除をま
ったく廃止するのではなく、高所得者だけ配偶者控除を廃止する方向で話が
進んでいます。
さらにいうと、子ども手当に所得制限を設け、高所得者には支給を制限し
ようかという案も論議されています。
「税制優遇は廃止、手当もあげない」では、高所得者タタキの様相を呈して
きそうです。
高所得者は人数が少ないため、選挙での票数が少なく、なかなか配慮され
ないのです。
ついでながら、同じように、法人は、選挙権を持たないため、政治的に配
慮されにくい。
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