2013年9月12日木曜日
証券ディーラー「プロの視点」(9/12)
■■ 〜 明日の株新聞 〜 ■■前営業日の株価指数伸び悩みから、円高推移とともに軟調もみあいで推移した本日の株式相場ですが、明日のメジャーSQ算出、週末三連休を控えて買いは入り辛く、代わって短期売買対象には活発な商いが確認されるなど、投資家心理も近視眼的なものに傾いているのではないでしょうか。日経平均株価は反落。小安い水準でのもみあいに終始し、変動率は1%未満、日中値幅は133円に留まりました。下落率は0.2%程度となり、もう一方の株価指数でもあるTOPIXの0.4%下落の半分となった辺りは、ファーストリテイリング<9983>、ソフトバンク<9984>ら日経平均株価構成比率上位の下支えによるものでしょう。前営業日にも日経平均株価小幅上昇、TOPIX下落と日経平均株価構成比率上位の活躍が見られていましたが、この流れは明日のメジャーSQ算出を意識したものでしょう。日経平均株価の日中推移も行使価格レベルの14500円と14250円の間で推移し、先物主導の流れが見て取れました。さて、明日はメジャーSQ算出を迎えますが、原資産の日経平均株価終値は14387円と14500円と14250円のほぼ中間に位置しており、今晩からの外部要因の変化から前場に伝わる概算値、日中高安、場中の方向性を確認しておきたいところ。また、来週月曜日が「敬老の日」の祝日休場で週末三連休、来週のFOMC(連邦公開市場委員会)の重要イベントが控えるため、手仕舞い意識の高まる後場の方向性を見極めましょう。さて、前営業日配信版では「ご祝儀買いも一服 需給選好の流れは明らか!」と題していました。全市場の売買代金上位では、低位建設の一角が賑わいを見せていますが、東京五輪開催決定からのご祝儀買いにも全体相場を押し上げる力はなく、すでに目先のイベントを確認する流れとなっています。そこで当欄では、値動きの軽さで資金集中が期待できる仕手系色の強い銘柄や低位、バイオ関連などを対象とし、積極的にハイリターンを狙っていくスタンスを推していました。今週10日に販売を締め切り、配信を行った厳選5銘柄付きレポート「仕手系・低位・バイオ ハイリターン投資に適した【大化け候補!】[2013]」の注目銘柄では、バイオ関連のペプチドリーム<4587>が目標株価達成を果たしています。前営業日に目標株価達成、返金条件クリアを紹介したバイオ関連のナノキャリア<4571>は連騰。全市場の売買代金上位に浮上するなど、バイオ関連がテーマ性に発展しました。前営業日前引け後に配信した電話会員情報のテラ<2191>が目標株価を達成し、ストップ高を付ける場面もあるなど、テーマ人気が波及しています。また、9月10日のインターネット会員A情報で買い推奨していたインターアクション<7725>が目標株価を達成。新興軽量級で仕手系色の強い銘柄にも短期資金が向かっているほか、明日新規上場のサンワカンパニー<3187>の上場接近で直近IPOへの見直しも進み、前営業日9月11日のインターネット会員A情報で買い推奨していた夢展望<3185>がわずか1営業日で目標株価を達成しており、短期売買が活発化しました。週末三連休直前となる明日も近視眼的な投資対象が選好される流れが続きそう。持ち越しを嫌った手仕舞い売りの可能性を考慮しながら、資金循環を見極めていきましょう。■■ 〜 今日の東京市場から 〜 ■■昨晩の米国市場は堅調。シリア情勢進展が好感されたものの、アップルの下げがナスダック指数を押し下げています。オバマ大統領が演説でシリアの化学兵器を国際管理下に置くとしたロシア提案を検討する意向を表明。軍事介入観測の後退を好感した買いが入りました。ただ、前営業日に新型iPhone発売を発表したアップルが下落。バンカメ、クレディ・スイス、UBSらの投資判断引き下げを受けて売り優勢となり、ナスダック指数を押し下げています。ダウ平均株価は、前営業日比135.54ドル高の15,326.60ドル。ナスダック総合指数は4.01ポイント安の3,725.01ポイントで取引を終えました。為替相場では、シリア情勢進展も安全資産需要の低下したドルが下落。東京時間帯早朝では、1ドル99円台後半、1ユーロ133円台前半のドル安水準で取引されています。東京株式市場では、米国市場堅調もアップルの下落が目立ち、為替相場でのドルが下落や前営業日に伸び悩んでいた経緯から売り先行の立ち上がり。日経平均株価は14397円の反落スタートに。寄り付き後は、目立った売り材料はなく、東京時間帯から円売りも見られており、押し目買い意欲の高まりとともにすぐさま切り返す動き。豪経済指標軟化による円高推移にも大きく水準を落としておらず、安値もみあいに終始しました。昼休みを挟んで若干の円安推移から後場寄りでは下げ渋る場面が見られたものの、円買い圧力とともに下値を探る動き。ただ、下押しには至らず、明日のメジャーSQ算出に向けて水準を固めています。日経平均株価終値は、37.80円安の14,387.27円。東証1部の売買代金は概算で1兆7449億円。東証1部の売買高は概算で25億9539万株。値上がり銘柄は713(40%)に対し値下がりは894(50%)、変わらずは147(8%)となりました。■■ 〜 本日の注目相場 〜 ■■指数反落でトヨタ<7203>、ソニー<6758>ら国際優良株、三菱UFJFG<8306>、三井住友FG<8316>のメガバンクなど中核銘柄は軟調。日経平均株価構成比率上位のソフトバンク<9984>、ファーストリテイリング<9983>が底堅く、株価指数を下支えしています。全市場の売買代金上位では、五輪関連の大成建設<1801>が切り返す動き。三井住友建設<1821>、鉄建建設<1815>、大豊建設<1822>の低位建設が買われました。一方、公募増資の受渡期日到来で近鉄<9041>、大株主売り観測のエムスリー<2413>が軟調。公募増資実施観測のシャープ<6753>、三菱自動車<7211>なども株式需給悪化懸念で売られています。値動きの軽いガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>やバイオ関連のナノキャリア<4571>などは好調。低位仕手系の日本冶金工業<5480>などの値上がりも目立ちました。セクターでは、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>ら所属全銘柄が上昇した海運が業種別株価指数騰落の値上がり上位に。国際石油開発帝石<1605>、三井松島産業<1518>の鉱業なども続いています。日本航空<9201>の空運、第一生命<8750>、東京海上ホールディングス<8766>の保険、極洋<1301>、マルハニチロホールディングス<1334>の水産農林なども買われました。一方、ブリヂストン<5108>、横浜ゴム<5101>のゴム製品、野村ホールディングス<8604>、大和証券<8601>の証券、デンソー<6902>、日産自動車<7201>の輸送用機器などが値下がり上位に並んでいます。新興市場では、全市場の売買代金上位にも進出したガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>、ナノキャリア<4571>が好調。ペプチドリーム<4587>、テラ<2191>、リプロセル<4978>、スリー・ディー・マトリックス<7777>などバイオ関連の活躍が目立ちました。■■ 〜 本日の注目銘柄シューティング! 〜 ■■<6753>シャープ 363円 前日比−23円(−5.96%)大幅安。9月中に最大1500億円規模の公募増資、同時に合計200億円程度の第三者割当増資を検討すると報じられたことが嫌気されている。他の報道でも最大で2000億円の増資実施、10月中の払い込む完了を目指して1000億円規模の公募増資と複数の報道機関が増資実施を報じており、信憑性の高さから投げ売りを誘っている。<7211>三菱自動車 1,028円 前日比−90円(−8.05%)大幅反落。今期中に2000億円の公募増資を実施する方針を固めたとの一部報道が嫌気されている。増資調達資金で三菱グループ4社が持つ約3800億円の優先株の大半を処理する見通しで、配当負担を軽減する目的もさらなる株式需給悪化懸念が強まったようだ。<4571>ナノキャリア 225,700円 前日比+14,300円(+6.76%)連騰。前営業日に増額修正を好感した流れが継続している。全市場の売買代金上位に進出するなど、値幅取りを意識した短期資金集中も影響しているようだ。みずほ証券が投資判断「買い」で新規カバレッジを開始したペプチドリーム<4587>、ジャスダック所属のバイオ関連・テラ<2191>なども人気化、バイオ関連物色が確認されている。◇…