■■ 〜 明日の株新聞 〜 ■■
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外部要因悪化に9月権利落ちの配当修正分の売り圧力が重なり、大幅調整を余
儀なくされた本日の株式相場ですが、外部要因の影響を色濃く受ける大型株を
中心に売られたものの、値動きの良い銘柄には短期資金が向かっており、難地
合いのなか短期回転売買が優位な流れとなっています。
日経平均株価は急反落。
配当修正分の売り圧力が見られたとはいえ、立ち上が
りから大台の9000円を割り込みました。
25日移動平均線(8983.83円)を下抜い
たことで、上方から切り下げる5日移動平均線(9052.90円)とのデッドクロス
も迫っています。
さて、前営業日配信版では「明日は権利落ちで実質10月相場 過剰流動性相場
で活躍する銘柄群をマーク!」と題していましたが、権利落ちの売り圧力とと
もに外部要因悪化に伴う見切り売りを誘い、株価指数は大きく下押ししてきま
した。
ただ、当欄にて短期的には「リスキーながらもよりハイリターンが見込める投
資対象」、中期的には「過剰流動性相場で活躍する銘柄群」と時間軸に応じて
投資対象を選別するスタンスを推していましたが、難地合いのなかでも値動き
の良い日本航空<9201>やネット関連、新興市場などに短期資金が向かっていま
す。
日経平均株価に関しては、大台9000円割れ、そして前述の通りに25日線と5日
線のデッドクロスも迫るなど、チャート軟化が見られていますが、下方には節
目8900円や75日移動平均線(8853.98円)が存在。
さらに、7月25日安値と9月
6日安値を結ぶトレンドラインもあり、目先は下値確認の流れとなるでしょう。
物色対象でも、昨日に「そろそろ中期的な『過剰流動性相場で活躍する銘柄群
』を中心に見ていきたいところ」と締めていましたが、前営業日引け後に配信
した市況分析レポート「バブル相場で狙える株!【2012】」では提供5銘柄の
うち4銘柄が上昇。
残る1銘柄も前日比変わらず、株価指数が大きく下落する
なかでも「過剰流動性相場で活躍する銘柄群」は着実に物色を集めています。
各国金融当局の敷く積極緩和姿勢により、やはり今は下値を売り込み難い局面。
一方で買い気も鈍いため、短期回転売買が効いていますが、今後期待される過
剰流動性相場に向けて、過去のケースで活躍した銘柄を見直したいところ。
■■ 〜 今日の東京市場から 〜 ■■
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昨晩の米国市場は買い先行も下落。
経済指標を好感した買いが入ったものの、
上値余地が限られたこともあり、利益確定売りを浴びています。
9月のコンファレンス・ボード消費者信頼感指数は70.3ポイントとなり、前月
の61.3ポイント、市場予想の63.1ポイントを上回ったほか、7月のケース・シ
ラー住宅価格指数は前年同月比で1.2%上昇となるなど、良好な経済指標を受け
て買いが先行しました。
ただ、直近の高値レベルまで上昇後は上値余地が限られたこともあり、利益確
定売りに押される流れ。
フィラデルフィア連銀総裁が金融当局の政策効果に慎
重な見解を示したことも投資家心理を冷やし、株価指数は下押ししています。
ダウ平均株価は、前営業日比101.37ドル安の13,457.55ドル。
ナスダック総合指
数は43.06ポイント安の3,117.73ポイントで取引を終えました。
為替相場では、米国経済指標好感のドル買いが見られたものの、株式下落とと
もに円が買い直される流れ。
東京時間早朝では、1ドル77円台後半、1ユーロ
100円台前半の水準で取引されています。
東京株式市場では、米国市場下落、為替相場の円買い圧力など外部要因軟化や
9月権利落ち配当修正分の売りが先行。
日経平均株価は8941円の反落スタート
に。
寄り付き後は、日経平均株価が大台9000円割れを余儀なくされたものの、場中
ではリバウンド狙いやTOPIX1%超の下落による当局のETF購入期待で
水準を探る動きとなりました。
昼休みの外部要因に変化はなく、後場も日経平均株価が前場と同水準での立ち
上がりから、水準を探る動き。
節目8900円接近で見直し買いと見切り売りが交
錯しています。
日経平均株価終値は、184.84円安の8906.70円。
東証1部の売買代金は概算で1
兆88億円。
東証1部の売買高は概算で14億6328万株。
値上がり銘柄は434(25%)
に対し値下がりは1103(65%)、変わらずは119(7%)となりました。
■■ 〜 本日の注目相場 〜 ■■
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外部要因悪化による指数下落を受けて、トヨタ<7203>、キヤノン<7751>の国際
優良株、三菱UFJFG<8306>、三井住友FG<8316>のメガバンクが軟調。
日
経平均構成比率上位のファナック<6954>、ソフトバンク<9984>、TDK<6762>
なども安く、株価指数を押し下げています。
なかでも中国での減産観測報道でホンダ<7267>、日産自動車<7201>の自動車が
軟調。
三菱商事<8058>、三井物産<8031>、コマツ<6301>の市況関連も安く、大
型株の苦戦が目立ちました。
売買代金上位では、処分売り一巡の日本航空<9201>が切り返す動き。
外部要因
に耐性のあるネット関連としてグリー<3632>、ディー・エヌ・エー<2432>など
も値幅取り物色を集めています。
セクターでは、日立<6501>、東芝<6502>の電気機器、伊藤忠商事<8001>、丸紅
<8002>の総合商社、デンソー<6902>、トヨタ<7203>の輸送用機器など大型株の
属するセクターが業種別株価指数騰落の値下がり上位に並びました。
全日本空輸<9202>の空運、野村ホールディングス<8604>、大和証券<8601>の証
券、日本郵船<9101>、川崎汽船<9107>の海運なども値下がり上位に続いていま
す。
一方、セブンアンドアイ<3382>、イオン<8267>の小売業が業種別株価指数の値
上がり業種に。
ローソン<2651>、MonotaRO<3064>、スタートトゥデイ
<3092>なども好調でした。
個別では、増額の東宝<9602>、自社株買いの三井ハイテック<6966>らが目立つ
程度で、値動きの良い日本航空<9201>やネット関連、新興市場に短期資金が向
かっています。
新興市場では、中核銘柄のサイバーエージェント<4751>、楽天<4755>らは売ら
れたものの、新規上場のエー・ピーカンパニー<3175>が連日の大商い。
テラ<2
191>、スリー・ディー・マトリックス<7777>、ピーエスシー<3649>、ニューフ
レアテクノロジー<6256>、エムアップ<3661>、UBIC<2158>らが短期売買で
賑わいました。
■■ 〜 本日の注目銘柄シューティング! 〜 ■■
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<9201>日本航空 3,540円 前日比+145円(+4.27%)
急反発。
前営業日の処分売りの流れを引き継ぎ、立ち上がりには売りが出たも
のの、売り一巡した前場後半から急速に買い直された。
新規材料はないものの、
改めてインデックスファンドの買い需要が蒸し返されたほか、難地合いのなか
値幅取り妙味に着目した買いを集めたようだ。
<7267>ホンダ 2,438円 前日比−125円(−4.88%)
急反落。
自動車大手が中国での不買運動や反日デモの影響で減産に入るとの観
測報道が売り材料視された。
同業のトヨタ<7203>や中国展開で先行していると
される日産自動車<7201>なども売りに押されている。
ドイツ証券が投資判断を
「買い」から「ホールド」に引き下げたことも見切り売りにつながっている。
<3632>グリー 1,575円 前日比+41円(+2.67%)
反発。
朝方は米国市場下落、アップルやフェイスブック下落を受けて続落スタ
ートとなったものの、外部要因悪化の難地合いのなか、外部要因に耐性のある
ネット関連として同業のディー・エヌ・エー<2432>とともに見直し買いを集め
たようだ。
前営業日引け後に大幅な定款変更を行なっており、新規事業展開な
どの期待感も高まっている。