■■ 〜 明日の株新聞 〜 ■■
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円高進展の外部要因軟化から、外需関連を中心に売り直される展開となった週
明けの株式相場ですが、円高圧力後退で買い直される場面もあるなど、指数は
外部要因の変化に応じて水準を探る動きに。
物色は内需関連への資金シフトが
見られたほか、材料株への短期売買が目立っています。
日経平均株価は反落。
前営業日にキープしていた節目9100円を割り込んできま
した。
場中で売り要因となった円高が和らぐと買い直されたものの、5日移動
平均線(9124.45円)も下向きに転じ、下方に控える大台9000円や25日移動平均
線(8997.03)も迫っています。
さて、前営業日配信版では「指標軟化も底堅い 投資の時間軸で物色対象を選
べ!」と題していました。
米国市場の株価指数は伸び悩むも値幅自体は小動き。
東京市場は円高進展とと
もに売り直された格好ですが、後場で下げ渋ったように、積極的に下値を売り
込むというよりは、為替相場に応じて円高ではポジション調整、内需関連への
物色シフトが主体でしょう。
反対に、直近の円安局面では見直し買い、外需関
連への物色シフトが見られていたことで、総合すると機動的な資金循環が見ら
れています。
これは海外から日本の株式相場を見れば理解できるのではないでしょうか。
量
的緩和政策では米国での緩和圧力が強いため、どうしてもドル下落という副作
用を伴います。
この煽りをうけているのがドル下落に対する円上昇で、円高進展によって日本
の株式相場にとっては売り圧力となるものの、海外から見れば株価水準が下落
したとしても円資産上昇効果によって相殺されることから、資産価値は大きく
下落しているわけではありません。
よって、為替相場次第で全体相場や銘柄間
での機動的な資金循環が見られているのではないでしょうか。
当欄でも「相場のポイントは、今後軟化が見込まれる経済情勢、経済指標に対
して、先手を打つ形で各国金融当局が緩和姿勢を採ってきた点にあるのではな
いでしょうか」としていたように、過剰流動性相場に向けて金融緩和の効果を
見極める局面にある今は、日々の動き次第で騰がって強気、下がって弱気にな
らず、過去のケースで活躍した銘柄を見直して、じっくりと今後の物色シフト
を考慮していくべきでしょう。
ただ、先週末段階では「目先となると、株価指数の『はらみ足』形成に見られ
るように、強弱両面が考えられる状況。
その場合では、昨日にも紹介したよう
に、過剰流動性相場の期待感にも沿い、難地合いのなかでも短期資金を集めら
れる『リスキーながらもよりハイリターンが見込める投資対象』には短期物色
を集める期待があります」とも記していました。
結果的には難地合いとなり、9月11日引け後に配信した厳選銘柄付き特別市況
分析レポート「仕手系・低位・バイオ ハイリターン投資に適した【大化け候
補!】」の注目銘柄でもあるバイオ関連のトランスジェニック<2342>が材料浮
上で人気化。
目標株価を達成するなど、指摘通りに「リスキーながらもよりハ
イリターンが見込める投資対象」が短期資金を集めています。
このまま過剰流動性相場に向けて金融緩和の効果を見極める局面にある今は、
短期的には「リスキーながらもよりハイリターンが見込める投資対象」が存在
感を示しているものの、中期的には「過剰流動性相場で活躍する銘柄群」が活
躍する状況となるでしょう。
この「過剰流動性相場で活躍する銘柄群」の戦略方針については、明日販売締
め切りの「厳選5銘柄付き市況分析レポート」で銘柄アプローチをまとめてい
ますので、ぜひ確認してみてください。
■■ 〜 今日の東京市場から 〜 ■■
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先週末の米国市場は小動き。
欧州問題進展期待で買いが先行したものの、景気
敏感株や金融関連に売りが出て伸び悩んでいます。
欧州連合(EU)当局が来週にもスペイン向け経済改革プログラムを公表する
と伝わり、欧州市場が買われた流れを引き継ぎ、米国市場も買いが先行しまし
た。
ただ、買い一巡後はアルコア、HP、シスコシステムズの景気敏感株やバンカ
メ、JPモルガンら金融関連に売りが出たほか、アップルも高値更新から利益
確定売りが出たこともあり、株価指数は伸び悩んでいます。
ダウ平均株価は、前営業日比17.46ドル安の13,579.47ドル。
ナスダック総合指
数は4.00ポイント高の3,179.96ポイントで取引を終えました。
為替相場では、欧州時間帯では信用不安後退でユーロが買われたものの、米国
時間帯での株式伸び悩みとともに円が買い直される動き。
週明けの東京時間早
朝では、1ドル78円台前半、1ユーロ101円台前半の水準で取引されています。
東京株式市場では、米国市場の伸び悩み、為替相場での円高圧力を受けて売り
が先行。
日経平均株価は9071円の反落スタートに。
寄り付き後は、日経平均株価の節目9100円割れとともに下値を探る動き。
円高
進展を嫌気した売りで下押ししました。
昼休みを挟んで円高圧力も和らぎ、後場では見直し買いが先行。
日経平均株価
は前場立ち上がりの水準まで下げ渋ったものの、買い気は膨らまわず、買い一
巡後は水準を探る動きとなっています。
日経平均株価終値は、40.71円安の9069.29円。
東証1部の売買代金は概算で91
33億円。
東証1部の売買高は概算で14億1044万株。
値上がり銘柄は773(46%)
に対し値下がりは725(43%)、変わらずは178(10%)となりました。
■■ 〜 本日の注目相場 〜 ■■
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指数反落でトヨタ<7203>、ソニー<6758>ら国際優良株や中国関連でもある日産
自動車<7201>、キヤノン<7751>、ホンダ<7267>、コマツ<6301>らが安く、外需
関連が苦戦を強いられています。
一方で、大和証券の格上げが伝わったソフトバンク<9984>、KDDI<9433>の
通信、ディー・エヌ・エー<2432>、グリー<3632>のネット関連、関西電力<950
3>、九州電力<9508>の電力株など内需系銘柄が買われました。
個別では、救済支援報道が伝わったルネサスエレクトロニクス<6723>がストッ
プ高買い気配。
先週末に公募割れとなっていた日本航空<9201>が調査機関の目
標株価設定で買い直されるなど、難地合いのなか材料性に着目した売買も目立
っています。
セクターでは、中国電力<9504>、四国電力<9507>ら電気ガス、オリックス<859
1>のその他金融、ソフトバンク<9984>、KDDI<9433>の情報通信らが業種別
株価指数騰落の値上がり上位に。
三井不動産<8801>、野村不動産<3231>の不動産、ディー・エヌ・エー<2432>の
サービス業、JT<2914>の食料品など内需系業種が値上がり上位に並びました。
一方、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>の海運、新日本製鐵<5401>、JFEホ
ールディングス<5411>の鉄鋼、ブリヂストン<5108>、横浜ゴム<5101>のゴム製
品が値下がり上位となっています。
また、三菱電機<6503>、東芝<6502>の電気機器、デンソー<6902>、日産自動車
<7201>の輸送用機器など、中核業種の値下がりも目立ちました。
新興市場では、東証1部ネット関連の上昇でサイバーエージェント<4751>、エ
イチーム<3662>、リブセンス<6054>、ミクシィ<2121>、モブキャスト<3664>が
好調。
低位の倉元製作所<5216>、fonfun<2323>、バイオ関連のテラ<219
1>、スリー・ディー・マトリックス<7777>、ナノキャリア<4571>、トランスジ
ェニック<2342>なども短期資金を集めています。
■■ 〜 本日の注目銘柄シューティング! 〜 ■■
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<9984>ソフトバンク 3,175円 前日比+30円(+0.95%)
反発。
大和証券が通信セクターの投資判断を「中立」から「強気」に、同社株
の投資判断も「3」から「1」とし、目標株価を4,000円に設定したことが好感
されている。
同業のKDDI<9433>も連れ高、米アップルの新型「iPhon
e5」効果も支援材料となっているようだ。
<7751>キヤノン 2,689円 前日比−108円(−3.86%)
反落。
国際優良株として円高進展が嫌気されたほか、一時操業再開した中国広
東省の珠海工場が再び操業を停止したと伝え、反日デモ問題の根深さを嫌気し
た売りに押されている。
中国関連とされるコマツ<6301>、日産自動車<7201>、
ホンダ<7267>、ファナック<6954>らも軟調に推移した。
<6723>ルネサスエレクトロニクス 336円 前日比+80円(+31.25%)
ストップ高買い気配。
産業革新機構とトヨタ自動車<7203>など関係性の深い企
業が年内にも1000億円超を共同出資して同社株の過半数取得を目指すとの一部
報道が買い材料視されている。
難地合いのなか材料性に着目した買いを集め、
場中に材料性の伝わったトランスジェニック<2342>なども人気化した。