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2012年9月21日金曜日

証券ディーラー「プロの視点」(9/21)

■■ 〜 明日の株新聞 〜 ■■

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日銀による緩和効果を打ち消す格好となった前営業日の下落から、米国市場の
下げ渋りもあって、ひとまず戻りを試す格好となった本日の株式相場ですが、
依然として円高圧力が残るものの、各国経済指標軟化を確認しての堅調展開に
は一定の評価が与えられるのではないでしょうか。


日経平均株価は反発。
節目9100円に乗り直しました。
終値では5日移動平均線
(9142.47円)には乗り切れなかったものの、前営業日から下値を切り上げ、ロ
ーソク足の形状では前営業日の値幅内に収まる「はらみ足」となっています。


さて、前営業日配信版では「出尽くし判断は早計 まだ緩和効果を見極める段
階」と題していました。


また、一昨日の日銀による金融緩和発動から、一転して調整色を強めた前営業
日の内容についても「反応だけを見れば「出尽くし」とも受け取れる結果です
が、米国では政策可能性を探りながらの発動。
日本も米国に追随する格好での
前倒しと、市場期待を先取りする状況。
今後の経済指標軟化に備えた動きでも
あり、ひとまずは緩和効果を見極める局面が続くのではないでしょうか」と記
していたと思います。


やはり相場のポイントは、今後軟化が見込まれる経済情勢、経済指標に対して、
先手を打つ形で各国金融当局が緩和姿勢を採ってきた点にあるのではないでしょ
うか。


昨日には、東京市場でも後場の売り圧力として働いた中国製造業購買担当者指
数(PMI)に加え、欧州ではユーロ圏総合景気指数、米国でも失業保険申請
件数の予想超過、コンファレンス・ボード景気先行指標総合指数(LEI)の
低下、5カ月連続のマイナスとなったフィラデルフィア連銀製造業指数など、
軟調な経済指標が続きました。


それでも米国市場の株価指数は高値圏から崩れることなく下げ渋る動きを見せ
ています。
そして円高圧力の残るなかでも東京市場は堅調展開を見せました。

この相場の底堅さについては、各国金融当局による金融緩和によって生じる過
剰流動性相場への期待感が下支えする状況となっているのではないでしょうか。


もちろん、今後も経済指標は軟化を示す内容が続く可能性があるでしょう。

だ、それを踏まえて金融当局が緩和方針を敷いているわけで、金融緩和の効果
を見極める局面にある今は、日々の動き次第で騰がって強気、下がって弱気に
ならず、過去のケースで活躍した銘柄を見直して、じっくりと今後の物色シフ
トを考慮していくべきでしょう。


ただ、目先となると、株価指数の「はらみ足」形成に見られるように、強弱両
面が考えられる状況。
その場合では、昨日にも紹介したように、過剰流動性相
場の期待感にも沿い、難地合いのなかでも短期資金を集められる「リスキーな
がらもよりハイリターンが見込める投資対象」には短期物色を集める期待があ
ります。


短期的には「リスキーながらもよりハイリターンが見込める投資対象」、そし
て中期的には「過剰流動性相場で活躍する銘柄群」を見ていきたいところ。

資の時間軸によって、物色対象が変わってくることを認識しておいてください。


■■ 〜 今日の東京市場から 〜 ■■

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昨晩の米国市場は下げ渋り。
軟調な経済指標を受けて売りが先行したものの、
直近の金融緩和や欧州問題進展期待とともに見直し買いを集めています。


アジア時間帯で伝わった中国製造業購買担当者指数(PMI)や欧州でのユー
ロ圏総合景気指数が振るわず、米国でも失業保険申請件数の予想超過、コンフ
ァレンス・ボード景気先行指標総合指数(LEI)の低下、5カ月連続のマイ
ナスとなったフィラデルフィア連銀製造業指数など軟調な経済指標が続き、売
りが先行しました。


ただ、売り一巡後は直近の各国金融緩和効果を期待する向きやEU当局がスペ
インの経済改革プログラムの策定で協力しているとの観測報道も伝わり、見直
し買いで株価指数は下げ渋っています。


ダウ平均株価は、前営業日比18.97ドル高の13,596.93ドル。
ナスダック総合指
数は6.66ポイント安の3,175.96ポイントで取引を終えました。


為替相場では、欧州時間帯まで円高圧力が見られたものの、米国時間帯での株
式下げ渋りから円高圧力も一巡。
東京時間早朝では、1ドル78円台前半、1ユ
ーロ101円台半ばの水準で取引されています。


東京株式市場では、為替相場での円高圧力一服や米国市場下げ渋りを好感した
見直し買いが先行。
日経平均株価は9113円の反発スタートに。


寄り付き後は、戻り売りが上値を押さえたものの、前営業日にも見られた日経
平均株価の節目9100円攻防の意識は高く、底堅い動きとなりました。


ただ、昼休み中の根強い円高圧力から、後場も株価指数の上値を抑える格好に。

終盤には週末のポジション調整意識も高まり、大引けにかけては弱含んだもの
の、節目9100円台はキープしています。


日経平均株価終値は、23.02円高の9110.00円。
東証1部の売買代金は概算で1
兆270億円。
東証1部の売買高は概算で16億958万株。
値上がり銘柄は900(53%)
に対し値下がりは600(35%)、変わらずは177(10%)となりました。


■■ 〜 本日の注目相場 〜 ■■

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指数反発も円高圧力が残り、ホンダ<7267>、ソニー<6758>ら国際優良株が振る
わず、メガバンクの三井住友FG<8316>、三菱UFJFG<8306>らも鈍く、物
色は内需系ディフェンシブのJT<2914>、JR東日本<9020>、セブンアンドア
イ<3382>などに偏っています。


売買代金上位では、再上場から連日で大商いを集めていた日本航空<9201>が進
出するも換金売りを浴びる動き。
材料株やディフェンシブ物色が目立ったほか、
物色ピークアウトと見た手仕舞い売りを集めました。


また、材料性の伝わったシャープ<6753>、関西電力<9503>らが物色されたもの
の、ゲームショウ関連のディー・エヌ・エー<2432>、グリー<3632>などは利益
確定売りを集めています。


セクターでは、中部電力<9502>、関西電力<9503>の電気ガス、JR東日本<902
0>の陸運、JT<2914>擁する食料品など、内需系ディフェンシブが業種別株価
指数騰落の値上がり上位に進出しました。


アステラス製薬<4503>、塩野義<4507>の医薬品、国際石油開発帝石<1605>の鉱
業、日水<1332>、マルハニチロ<1334>の水産農林、日本製紙<3893>、大王製紙
<3880>の紙パルプなどが続いています。


一方、値下がり上位では、新日本製鐵<5401>、JFEホールディングス<5411>
の鉄鋼、野村ホールディングス<8604>の証券業のほか、根強い円高圧力でホン
ダ<7267>、富士重工業<7270>の輸送用機器、東京エレクトロン<8035>、パナソ
ニック<6752>の電気機器など中核業種も苦戦が目立ちました。


個別では、増額のUKCホールディングス<3156>、格上げのTHK<6481>、在
庫縮小観測のヤマハ<7951>などが材料物色を集めています。


新興市場では、東証1部ネット関連の苦戦でサイバーエージェント<4751>、ミ
クシィ<2121>、モブキャスト<3664>も軟調。
ただ、上場来高値圏での値幅取り
の動きでエイチーム<3662>が大商い。
バイオ関連のテラ<2191>、軽量級のピー
エスシー<3649>、H&F<6163>などに短期資金が集まりました。


■■ 〜 本日の注目銘柄シューティング! 〜 ■■

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<2914>JT 2,336円 前日比+65円(+2.86%)

続伸。
外部要因が一喜一憂しており、外部要因に左右されにくい投資対象とし
て内需系ディフェンシブ銘柄の選好する流れとなっているようだ。
食料品の同
社株やJR東日本<9020>の陸運、関西電力<9502>の電気ガス、セブンアンドア
イ<3382>の小売業など、ディフェンシブセクターが業種別株価指数騰落の値上
がり上位となっている。

<6753>シャープ 212円 前日比+10円(+4.95%)

大幅続伸。
好材料を伝える報道が相次いだことが買い材料視された。
読売新聞
が海外での人件費カット、スマートフォンのアジア販売拡充を行うと伝えたほ
か、毎日新聞も米インテルに300億円超の出資要請を行い、協業関係を結ぶと報
じたが、資本業務提携交渉にある台湾の鴻海精密工業との交渉進展は伝わって
おらず、伸び悩む動きとなった。

<9201>日本航空 3,680円 前日比−165円(−4.29%)

急落。
19日の再上場から高水準のボリュームを保っていたものの、前営業日安
値を割り込んだ前場から、物色ピークアウトと見た手仕舞い売りを集め、後場
では公募価格3,790円を割り込んだ。
上場来、インデックスファンドの買い需要
などが期待されていたが、やはり売り出しによる株式需給は重く、短期売買一
巡後は値を崩す動きとなっている。

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