■■ 〜 明日の株新聞 〜 ■■
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堅調な外部要因から前場では前営業日からの買い気が継続、昼休みの日銀金融
政策決定会合での現状維持が伝わり、後場では急落の見られた株式相場ですが、
出尽くし気味の円高一服とともに見直し買いを集めて盛り返す動きに。
日程面
やイベント警戒で手掛けにくいなかでも物色意欲の高さが確認できたのではな
いでしょうか。
日経平均株価は続伸。
前述の通りに後場急落が見られたものの、節目8800円を
割ることなく水準を切り上げてきました。
前営業日に乗り直した5日移動平均
線(8803.46円)が下値を支えましたが、終値では前営業日に上値を阻んだ75日
移動平均線(8873.25円)には届いていません。
もう一方の株価指数でもあるTOPIXも続伸。
日経平均株価と同様に5日移
動平均線(732.68ポイント)が下値を支え、昨日にも紹介した25日移動平均線
(740.21ポイント)に上値を抑えられています。
さて、前営業日配信版では「イベント消化待ち 今は焦らず中期視点での銘柄
選別を」と題していました。
前営業日にの買い気にも「外部要因のさらなる改善期待を先回りする向きや日
程面を考慮した売り方の買い戻し」を指摘。
外部要因に対しても「時間外米指
数先物のダウ平均で50ドル前後の上昇を確認するなど、今晩の米国市場上昇を
織り込んでいます」と紹介していたと思います。
米国市場の結果は時間外先物を上回る上昇着地、経済指標好感の円安推移を追
い風に前場は堅調展開を見せました。
ただ、昨日にも「明日の日銀金融政策決
定会合の声明発表やECB理事会での追加緩和期待も漂う格好」としたように、
昼休みに日銀金融政策決定会合で金融政策の現状維持が伝わると、追加緩和期
待を織り込んでいた為替相場や株式相場では、後場で失望売りを招いています。
しかし、出尽くし気味の円高一服とともに見直し買いを集めて盛り返す動きを
見せるなど、結果的にイベント消化が素直に好感される格好。
今晩に重要指標
・米雇用統計、国内では週末三連休を控えていますが、余程のネガティブサプ
ライズが無い限りは、このままイベント消化が好感される流れが続きそうです。
ただ、来週は国内で金曜日にオプションSQ算出が控えます。
さらに米国では
9日のアルコアを皮切りに主要企業の決算シーズンがスタート。
昨日にも「重
要イベントが控え、株価指数のチャートでもそれぞれ上値抵抗線が控えるなか
では、まだまだ地合いの落ち着きを待つ局面との見方に変わりはありません。
今は来週以降を見据えて、企業の将来性や実態評価を見極めながら、投資機会
を待ちましょう」としましたが、まだ現段階では買い急がずに銘柄選別を行い、
エントリータイミングを探る状況でしょう。
さて、物色対象としては、重要イベント揃う日程面の影響を考慮して、近視眼
的な物色傾向を紹介していましたが、本日では前営業日配信のインターネット
会員A情報で買い推奨していたポールトゥウィン・ピットクルーホールディン
グス<3657>が前場段階で目標株価達成を果たすなど、引き続き需給妙味に溢れ
る新興軽量級が活躍しました。
ただ、値動きの軽い投資対象を中心とする短期物色も日程面の影響で手仕舞い
目的の換金売りが出てくる可能性を考慮し、今週中の期間限定との位置付けも
紹介していましたが、ポールトゥウィン・ピットクルーホールディングス<365
7>は買い一巡後に利益確定売りに押され、直近の当欄でも継続紹介していたガ
ンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>なども反落着地となっていま
す。
そして、全体相場が盛り返した後場では、前回9月25日引け後に配信した厳選
銘柄付き特別市況分析レポート「バブル相場で狙える株!【2012】」の注目銘
柄・ヒューリック<3003>が目標株価達成を果たすなど、需給妙味に溢れる銘柄
群から、相場安定後を見据えた対象へと物色傾向の変化が見て取れました。
週明けは、米雇用統計などイベント結果や米国市場、為替相場など外部要因の
変化を確認しながら、株価指数の上値抵抗線との攻防、物色傾向を判断して、
次なる投資テーマの到来に備えましょう。
■■ 〜 本日の注目相場 〜 ■■
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日銀金融政策決定会合の政策維持による為替相場の変動を受けて、中核銘柄は
高安まちまち。
前営業日に上昇していたトヨタ<7203>、日産自動車<7201>、ホ
ンダ<7267>の自動車には利益確定売りが出たものの、ソニー<6758>、東芝<650
2>、パナソニック<6752>の電気機器は買われています。
売買代金上位では、ソフトバンク<9984>が軟調。
NTT<9432>、KDDI<943
3>らも指数上昇に比して鈍く、通信業は引き続き資金シフトの対象となりまし
た。
米雇用統計、週末三連休とイベント控える局面のなか、ネット関連のグリー<3
632>、ディー・エヌ・エー<2432>がしっかり。
外部要因に影響されにくい点が
選好されています。
金相場上昇で非鉄の住友金属鉱山<5713>、建機のコマツ<6301>が堅調だった半
面、業績軟化のニコン<7731>、減額のセブンアンドアイ<3382>などは個別で売
られました。
セクターでは、住友金属鉱山<5713>、三菱マテリアル<5711>の属する非鉄、商
船三井<9104>、川崎汽船<9107>の海運、国際石油開発帝石<1605>の鉱業などが
業種別株価指数騰落の値上がり上位に並んでいます。
建機のコマツ<6301>が属する機械、クラレ<3405>、旭化成<3407>の化学、三井
不動産<8801>、住友不動産<8830>ら不動産業も賑わいました。
一方で、全日本空輸<9202>の空運、ニコン<7731>の精密機械、セブンアンドア
イ<3382>の小売など、業種内中核銘柄の下げで業種別株価指数を押し下げてい
ます。
新興市場では、東証1部ネット関連の活躍で中核銘柄のサイバーエージェント
<4751>、デジタルガレージ<4819>が好調。
値動きの軽いピーエスシー<3649>、
エイチーム<3662>、エムアップ<3661>、エニグモ<3665>、アイレップ<2132>、
低位の夢みつけ隊<2673>などが短期資金で賑わいました。
■■ 〜 本日の注目銘柄シューティング! 〜 ■■
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<7203>トヨタ 3,045円 前日比−50円(−1.62%)
反落。
前営業日に野村證券が自動車大手3社の投資判断「買い」を強調したほ
か、為替相場の円安推移を追い風に物色を集めていたこともあり、利益確定売
りに押されたようだ。
昼休みに伝わった日銀金融政策決定会合結果も現状維持
で中国販売減少観測も伝わったが、出尽くし気味の円高の流れが止まると見直
し買いも入っている。
<9984>ソフトバンク 3,050円 前日比−80円(−2.56%)
続落。
このところの為替相場に対する敏感な反応が続いており、物色が国際優
良株など外需関連株に向かうなか、直近で物色を集めていた通信業は資金シフ
トの対象となっているようだ。
午後に携帯電話契約の純増数が明らかとなり、
同社株が9カ月連続で首位となったことが伝わったものの、あまり材料視され
ていない。
<5713>住友鉱山 1,051円 前日比+49円(+4.89%)
急反発。
昨日にECBがユーロ導入国の国債購入を開始する用意があると表明
したことでニューヨーク金先物相場が上昇するなど、金関連銘柄として物色を
集めている。
先月の各国中銀による金融緩和姿勢や自社株買いで賑わっていた
こともあり、本日開催の日銀金融政策決定会合に対する期待感も支援材料とな
ったようだ。