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2012年9月28日金曜日

証券ディーラー「プロの視点」(9/28)

■■ 〜 明日の株新聞 〜 ■■




ほぼ大方の想定通りとなった米国市場の上昇着地から、前営業日先回り買いか
らの戻り売りやドル円下落による国際優良株の調整とともに軟調な展開となっ
た本日の株式相場ですが、買い難い中核銘柄を嫌った資金は値動きの軽い新興
市場に向かうなど、場味に応じて物色シフト、資金循環が見られています。


日経平均株価は反落。
前述の通りに売り直されたことで、ローソク足は陰線転
換となりました。
前場では節目8900円攻防が見られたものの、節目8900円を割
り込んだ後場では前営業日安値水準を意識した動きとなっています。


前営業日後場浮上に関しては、前営業日配信版でも「後場からは中国景気刺激
策の期待感、時間外取引の米指数先物でダウ平均が70ドル前後の上昇を確認す
るなど、外部要因改善期待の買いを集めています」と記していましたが、昨晩
の米国市場の結果はほぼ時間外先物と同レベルにとどまり、本日は前営業日先
回り買いからの戻り売りが出ました。


そこで前営業日配信版では「戻り売りこなすか? 難地合いでは短期優位も好
転見越した物色準備を」と題していたと思います。


想定された「戻り売り」はこなせず、株価指数は前営業日安値水準まで切り下
げてきました。
ただ、後場でも前営業日安値水準を意識した動きとなったのは、
当欄で指摘していたように、日経平均株価における75日移動平均線(8863.25円)
、7月25日安値と9月6日安値を結ぶトレンドラインが影響したのではないで
しょうか。


気掛かりは、上方で5日移動平均線(8977.51円)と25日移動平均線(8964.24
円)のデッドクロス接近など、チャート軟化が見られている点でしょうか。

き続き下値水準と上方に控える25日線と5日線との位置関係を見極めたいとこ
ろ。


さて、物色も「難地合いのなかでも存在感を発揮できる『リスキーながらもよ
りハイリターンが見込める投資対象』と好地合いのなかでは、より活躍の見込
める『過剰流動性相場で活躍する銘柄群』を場味を判断しながら手掛けていき
たいところ」と記していましたが、前営業日にも紹介したバイオ関連のタカラ
バイオ<4974>がさらに水準を切り上げてくるなど、難地合いのなか「リスキー
ながらもよりハイリターンが見込める投資対象」が活躍しました。


引き続き、予め両タイプの物色対象を準備しながら、場味を判断して機動的に
手掛けていきましょう。


■■ 〜 今日の東京市場から 〜 ■■




昨晩の米国市場は反発。
中国景気刺激策や欧州問題進展に対する期待感が高ま
り、見直し買いを集めています。


中国市場が景気刺激策への期待感から上昇、欧州でもスペイン内閣が緊縮財政
でもある2013年予算案を承認したことで欧州問題の進展につながり、アジア、
欧州市場の上昇を好感した買いが先行しました。


第2四半期(4−6月)の実質国内総生産(GDP)確定値が前期比1.3%増と
改定値から下方修正されたものの、見直し買いが押し上げています。


ダウ平均株価は、前営業日比72.46ドル高の13,485.97ドル。
ナスダック総合指
数は42.90ポイント高の3,136.60ポイントで取引を終えました。


為替相場では、中国との関係性の深い豪ドルや欧州問題進展期待でユーロが上
昇したものの、ドル円ではユーロドル上昇でドルが売られる展開。
東京時間早
朝では、1ドル77円台半ば、1ユーロ100円台前半で取引されています。


東京株式市場では、米国市場上昇を好感した買いが先行。
日経平均株価は8986
円の続伸スタートに。


寄り付き後は、昨晩の米国市場上昇も前営業日取引時間帯での時間外米指数先
物上昇で織り込んでおり、前営業日反発からの戻り売りやドル円下落を嫌気し
た売りで日経平均株価はマイナスに転換。
節目8900円まで水準を切り下げまし
た。


後場では、昼休みのドル円下落や時間外米指数先物失速とともに下押し、日経
平均株価も節目8900円を割り込む展開に。
前営業日安値近辺では75日移動平均
線や7月安値、9月安値を結ぶトレンドラインを意識した見直し買いや引けに
かけての9月末ドレッシング買いで下げ渋る動きも見られています。


日経平均株価終値は、79.71円安の8870.16円。
東証1部の売買代金は概算で1
兆1198億円。
東証1部の売買高は概算で17億5670万株。
値上がり銘柄は405(2
4%)に対し値下がりは1153(68%)、変わらずは115(6%)となりました。


■■ 〜 本日の注目相場 〜 ■■




ドル円下落など外部要因軟化や株価指数の反落とともに中核銘柄のホンダ<726
7>、トヨタ<7203>、キヤノン<7751>、パナソニック<6752>ら国際優良株が軟調。

三菱UFJFG<8306>、三井住友FG<8316>のメガバンクも振るわず、株価指
数を押し下げています。


三菱商事<8058>、三井物産<8031>の総合商社のほか、NTT<9432>、武田薬品
<4502>らディフェンシブも安く、大型株には売りが出ました。


一方、売買代金上位では、前営業日に売られたディー・エヌ・エー<2432>、グ
リー<3632>のソーシャルゲーム関連が買い直されたほか、日経平均株価構成比
率上位のファーストリテイリング<9983>、ソフトバンク<9984>が底堅く推移し
たものの、材料売買も目立っていません。


セクターでは、日本郵船<9101>、商船三井<9104>の海運、所属全銘柄が下落し
た水産農林が業種別株価指数騰落の値下がり上位となっています。


また、トヨタ<7203>、デンソー<6902>の輸送用機器、三菱商事<8058>、三井物
産<8031>の属する卸売業など中核業種、野村ホールディングス<8604>、大和証
券<8601>の証券、第一生命<8750>、東京海上ホールディングス<8766>の保険業
など、金融関連業種も下げました。


一方、JXホールディングス<5020>の石油製品、日本航空<9201>、全日本空輸
<9202>の空運、新日本製鐵<5401>、神戸製鋼<5406>の鉄鋼などが値上がり上位
となっています。


個別では、積極的な自社株買い、格上げのあおぞら銀行<8304>、増額の日本化
薬<4272>、イオンクレジットサービス<8570>らが物色されたものの、売買代金
上位には進出していません。


新興市場では、中核銘柄のサイバーエージェント<4751>、楽天<4755>が底堅く、
ピーエスシー<3649>、エニグモ<3665>、モブキャスト<3664>、ガンホー・オン
ライン<3765>ら軽量級が好調。


新規上場のメディアフラッグ<6067>の買い気配でアクトコール<6064>、大泉製
作所<6618>が賑わったほか、バイオ関連のテラ<2191>、そーせい<4565>、カイ
オム・バイオサイエンス<4583>、スリー・ディー・マトリックス<7777>、タカ
ラバイオ<4974>なども短期売買を集めています。


■■ 〜 本日の注目銘柄シューティング! 〜 ■■




<2432>ディー・エヌ・エー 2,592円 前日比+24円(+0.93%)

しっかり。
前営業日にNTTドコモ<9437>がスマートフォン向けにソーシャル
ゲーム事業に参入するとの一部報道を受けて、ソーシャルゲームを展開してい
る同社株やグリー<3632>が下げていたものの、両銘柄とも逆日歩発生の売り残
超過銘柄として下げ余地が限られるとの見方から、見直し買いを集めている。

NTTドコモ<9437>は反落していることも見直しを誘ったようだ。

<7267>ホンダ 2,397円 前日比−66円(−2.68%)

反落。
前営業日の後場指数浮上とともに見直し買いを集めていたものの、株価
指数が反落しており、再び売り直されている。
中国での景気刺激策観測は追い
風となるものの、すでにトヨタ<7203>などとともに減産見通しにあり、買いも
入りにくいようだ。

<9201>日本航空 3,650円 前日比+115円(+3.25%)

反発。
このところの見切り売りや日中関係の悪化、外国人直接保有比率の積み
上がりによる売り需要が意識されていたものの、ここ連日で売り先行から買い
直される流れが続いている。
月末によるインデックス買い需要が意識されたほ
か、売り圧力のピークが過ぎたとの見方もある。


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