■■ 〜 明日の株新聞 〜 ■■
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欧米市場下落で売り先行の立ち上がりとなるも、前営業日に大きく下押しした
ところからの見直しも進み、戻りを試した本日の株式相場ですが、指数の下値
確認や外部要因改善期待も物色を誘ったのではないでしょうか。
日経平均株価は反発。
立ち上がりに節目8900円を割り込んだものの、前述の通
りの後場浮上で8900円に乗り直しました。
ローソク足は陽線転換を果たしてい
ます。
日経平均株価に関して、前営業日配信版では「大台9000円割れ、そして前述の
通りに25日線と5日線のデッドクロスも迫るなど、チャート軟化が見られてい
ますが、下方には節目8900円や75日移動平均線が存在。
さらに、7月25日安値
と9月6日安値を結ぶトレンドラインもあり、目先は下値確認の流れとなるで
しょう」と記していました。
指摘していたように、75日移動平均線(8859.49円)や7月25日安値と9月6日
安値を結ぶトレンドライン近辺の始値8856.31円の立ち上がりに。
下値確認とと
もに前場で下げ渋ると、後場からは中国景気刺激策の期待感、時間外取引の米
指数先物でダウ平均が70ドル前後の上昇を確認するなど、外部要因改善期待の
買いを集めています。
さて、前営業日配信版では「難地合いで短期売買優位に 過剰流動性相場の期
待も残る!」と題していました。
売買代金上位では、悪材料の浮上したネット関連の売買が膨らむなど、物色は
短期志向を強める格好。
当欄にて短期的には「リスキーながらもよりハイリタ
ーンが見込める投資対象」、中期的には「過剰流動性相場で活躍する銘柄群」
と時間軸に応じて投資対象を選別するスタンスを推していたと思います。
難地合いとなった前場では、前回9月11日引け後に配信した厳選銘柄付き特別
市況分析レポート「仕手系・低位・バイオ ハイリターン投資に適した【大化
け候補!】」の注目銘柄でもあるバイオ関連のタカラバイオ<4974>が人気化。
目標株価達成を果たしました。
一方、見直しの見られた後場では、今回9月25日引け後に配信した厳選銘柄付
き特別市況分析レポート「バブル相場で狙える株!【2012】」の注目銘柄・サ
ニーサイドアップ<2180>が目標株価を達成。
早くも実質2営業日で返金条件を
クリアするなど、見立て通りに「過剰流動性相場で活躍する銘柄群」も動き出
しています。
ただ、本日の後場の段階で外部要因の改善期待も先回りした結果、目先は戻り
売りとの攻防が焦点となりそう。
本日確認した日経平均株価における下値水準
と、節目8900円。
そして上方に控える25日移動平均線(8976.56円)と5日移動
平均線(9025.48円)との位置関係を見極めたいところ。
物色は難地合いのなかでも存在感を発揮できる「リスキーながらもよりハイリ
ターンが見込める投資対象」と好地合いのなかでは、より活躍の見込める「過
剰流動性相場で活躍する銘柄群」を場味を判断しながら手掛けていきたいとこ
ろ。
戻り売りをこなして、指数の下値確認がこのまま進めば「過剰流動性相場
で活躍する銘柄群」への物色シフトが進んでいくことでしょう。
■■ 〜 今日の東京市場から 〜 ■■
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昨晩の米国市場は続落。
住宅指標軟化や欧州債務問題の再燃を受けてリスク退
避目的の換金売りに押されています。
米商務省が発表した8月の新築一戸建て住宅販売は前月比0.3%減の37万3000戸
となり、市場予想の38万戸を下回る結果に。
前営業日の7月のケース・シラー
住宅価格指数が増加を示していただけに、失望感が高まりました。
また、ドイツ、オランダ、フィンランドの3カ国が「スペインは自国の銀行問
題のコストを負担すべき」として、ユーロ圏救済基金でもある欧州安定化メカ
ニズム(ESM)による銀行への資本注入は限定的であるべきだとの認識を示
したことで、欧州債務問題が再燃。
リスク退避の換金売りを誘っています。
ダウ平均株価は、前営業日比44.04ドル安の13,413.51ドル。
ナスダック総合指
数は24.03ポイント安の3,093.70ポイントで取引を終えました。
為替相場では、欧米市場の軟調展開もあり、円高基調が継続。
ただ、連日の円
買い圧力が高まっており、円の上げ幅は限定的に。
東京時間早朝では、1ドル
77円台後半、1ユーロ100円台前半と前営業日と同水準で取引されています。
東京株式市場では、外部要因軟化を嫌気した売りが先行。
日経平均株価は8856
円の続落スタートに。
寄り付き後は、日経平均株価の節目8900円割れで下値を探る動きとなったもの
の、75日移動平均線や7月安値、9月安値を結ぶトレンドライン付近での攻防
をこなすと円高一服とともに下げ渋りました。
後場では戻り売りが出ているものの、日経平均株価は節目8900円の攻防をこな
すと上値志向を強める格好に。
中国景気刺激策などの期待感も高まり、プラス
圏に浮上しています。
日経平均株価終値は、43.17円高の8949.87円。
東証1部の売買代金は概算で1
兆164億円。
東証1部の売買高は概算で16億2875万株。
値上がり銘柄は777(46
%)に対し値下がりは756(45%)、変わらずは140(8%)となりました。
■■ 〜 本日の注目相場 〜 ■■
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指数が売り先行から切り返す動きを見せ、調整していたホンダ<7267>、日産自
動車<7201>、コマツ<6301>や三菱UFJFG<8306>、三井住友FG<8316>のメ
ガバンクも買い直されています。
売り込まれていた新日本製鐵<5401>、関西電力<9503>にも見直しが進んだもの
の、根強い円高圧力でキヤノン<7751>、日立<6501>ら電気機器は鈍い動き。
見
直し買いが主体となりました。
売買代金上位では、NTTドコモ<9437>のソーシャルゲーム参入でディー・エ
ヌ・エー<2432>、グリー<3632>が急落。
決算売りのニトリホールディングス<9
843>、経営改革途上のシャープ<6753>らの売りが目立っています。
セクターでは、旭硝子<5201>、日本電気硝子<5202>のガラス製品、中部電力<9
502>、九州電力<9508>の電気ガス、武田薬品<4502>、アステラス製薬<4503>の
医薬品らが業種別株価指数騰落の値上がり上位に並びました。
野村ホールディングス<8604>、大和証券<8601>の証券、第一生命<8750>、東京
海上ホールディングス<8766>の保険など金融関連、ブリヂストン<5108>、住友
ゴム<5110>のゴム製品、コマツ<6301>、日立建機<6305>の機械などが続いてい
ます。
一方、日本航空<9201>、全日本空輸<9202>の空運、王子製紙<3861>、日本製紙
<3893>の紙パルプ、ディー・エヌ・エー<2432>の属するサービス業などが値下
がり上位となりました。
個別では、改めて出資観測の伝わったルネサスエレクトロニクス<6723>、増額
の東京個別指導学院<4745>などが材料物色を集めましたが、指数の後場浮上や
新興軽量級の賑わいで目立っていません。
新興市場では、中核銘柄のサイバーエージェント<4751>、楽天<4755>は小動き
となるもピーエスシー<3649>、エニグモ<3665>、ワイヤレスゲート<9419>、モ
ブキャスト<3664>ら軽量級が賑わったほか、バイオ関連のタカラバイオ<4974>、
カイオム・バイオサイエンス<4583>なども短期売買を集めています。
■■ 〜 本日の注目銘柄シューティング! 〜 ■■
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<2432>ディー・エヌ・エー 2,568円 前日比−259円(−9.16%)
急反落。
NTTドコモ<9437>がスマートフォン向けにソーシャルゲーム事業に
参入するとの一部報道を受けて、すでにソーシャルゲームを展開する同社株や
グリー<3632>らの逆風となるとの見方から売りが出た。
ただ、売り一巡後には
下げ渋る動きも見られており、思惑が交錯。
ボリュームも膨らみ、売買代金上
位に進出している。
<9843>ニトリホールディングス 2,438円 前日比−125円(−4.88%)
大幅安。
前営業日引け後発表の第2四半期決算が2ケタ増益となるも事前予想
を下回ったこともあり、成長鈍化と見た手仕舞い売りに押されたようだ。
また、
ゴールドマンサックス証券が投資判断を「買い」から「中立」に引き下げたこ
とも嫌気されている。
<7267>ホンダ 2,438円 前日比−125円(−4.88%)
反発。
前営業日には中国での不買運動や反日デモの影響で減産に入るとの観測
報道が売り材料視されたものの、中国関連として調整が先行していたこともあ
り、指数反発とともに切り返した。
日産自動車<7201>、コマツ<6301>なども買
い直されている。