■■ 〜 明日の株新聞 〜 ■■
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金融緩和効果に沸いた前営業日の上昇相場から一転、多くの銘柄が売り直され
る展開となった本日の株式相場ですが、前引け発表の中国経済指標がさえなか
ったとはいえ、前営業日にも指摘していた過去の「出尽くし」の影響も売り圧
力として働いているのではないでしょうか。
日経平均株価は急反落。
前場で前営業日後場の上げ幅を削ると、後場では前営
業日の上昇分を帳消しにし、節目9100円を割り込んで引けました。
ローソク足
は上ヒゲ陰線、5日移動平均線(9119.50円)割れを余儀なくされています。
さて、前営業日配信版では「いよいよ過剰流動性相場到来か 物色対象のシフ
トを考慮」と題していました。
米国に続いて日本でも当局による追加金融緩和方針が伝わったことで、高まっ
た過剰流動性相場への期待ですが、前営業日海外時間帯での円高推移とともに
売り直される格好に。
前述の通り中国経済指標も振るわず、全体相場は売り直
されています。
本日だけの反応だけを見れば「出尽くし」とも受け取れる結果ですが、米国で
は政策可能性を探りながらの発動。
日本も米国に追随する格好での前倒しと、
市場期待を先取りする状況。
今後の経済指標軟化に備えた動きでもあり、ひと
まずは緩和効果を見極める局面が続くのではないでしょうか。
昨日にも「もちろん、短期的な相場調整は付きものですし、焦って買い上がる
必要もありませんが、過去の金融緩和効果、過剰流動性相場で好パフォーマン
スを演じた銘柄を再度見直すタイミングとなりそうです」とも締めていたよう
に、騰がって強気、下がって弱気にならず、相場調整の可能性を想定しながら、
過去のケースで活躍した銘柄を見直しつつ、今後の物色シフトを考慮していく
スタンスに変更はありません。
また、緩和効果を見極める段階が続くともなれば、直近のイベント警戒の流れ
のなか、過剰流動性相場の金余り状態、難地合いのなかでも短期資金を集めら
れる「リスキーながらもよりハイリターンが見込める投資対象」も短期物色を
集める期待がります。
ただ、緩和効果を見極めるまで、期間限定の投資対象だ
と認識しておいてください。
■■ 〜 今日の東京市場から 〜 ■■
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昨晩の米国市場は堅調。
東京時間帯で伝わった日銀金融政策決定会合での追加
金融緩和が追い風となり、底堅い推移となっています。
日銀金融緩和の影響でアジア市場、欧州市場も買い進まれたこともあり、米国
市場も買い先行の展開。
8月の中古住宅販売件数も前月比7.8%増の482万戸と
なり、市場予想の456万戸を上回るなど、良好な経済指標も相場を支えました。
ダウ構成銘柄では、ウォルト・ディズニー、クラフトフーズ、ホームデポ、メ
ルク、キャタピラーらが買われた半面、エクソンモービル、インテル、HP、
ボーイングらが売られています。
ダウ平均株価は、前営業日比13.32ドル高の13,577.96ドル。
ナスダック総合指
数は4.82ポイント高の3,182.62ポイントで取引を終えました。
為替相場では、東京時間帯で見られた緩和効果による円安推移も欧州時間帯か
ら米国時間帯にかけて買い直される動き。
東京時間早朝では、1ドル78円台前
半、1ユーロ102円台前半の円高水準で取引されています。
東京株式市場では、為替相場の円高推移を嫌気した売りが先行。
日経平均株価
は9174円の反落スタートに。
寄り付き後は、押し目買いを集めて日経平均株価が節目9200円台に乗り直した
ものの、前引け発表の中国経済指標に対する警戒感から戻り売りに押されまし
た。
前引けで伝わった9月の中国製造業購買担当者指数(PMI)は振るわず、昼
休みではリスク回避の円高進展が見られており、後場では売りが優勢に。
日経
平均株価は後場一段安となり、前営業日の上げ幅を帳消しとするも節目9100円
やSQ値9076.79円近辺で水準を探る動きとなっています。
日経平均株価終値は、145.23円安の9086.98円。
東証1部の売買代金は概算で1
兆2924億円。
東証1部の売買高は概算で19億25万株。
値上がり銘柄は270(16%)
に対し値下がりは1295(77%)、変わらずは115(6%)となりました。
■■ 〜 本日の注目相場 〜 ■■
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指数反落を受けて、前営業日の追加金融緩和で上昇していたメガバンクの三井
住友FG<8316>、三菱UFJFG<8306>、野村ホールディングス<8604>の金融
関連が反落。
関係性の深い住友不動産<8830>、三井不動産<8801>の不動産業も
売り直されています。
為替相場が円高水準で折り返してきたことで、日産自動車<7201>、ホンダ<726
7>、ソニー<6758>、キヤノン<7751>の国際優良株も軟調。
中国経済指標の軟化
でファナック<6954>、コマツ<6301>などもさえない動きに。
売買代金上位では、前営業日再上場の日本航空<9201>が進出。
短期値幅取り物
色を集めたほか、自社株買いのNTT<9432>も高く、ゲームショウ関連のディ
ー・エヌ・エー<2432>、グリー<3632>なども賑わいました。
セクターでは、NTT<9432>擁する情報通信が業種別株価指数騰落の値上がり
最上位に。
セブンアンドアイ<3382>、ファーストリテイリング<9983>の小売業
もしっかり。
一方、値下がり上位では、前営業日の値上がり上位に進出していた商船三井<9
104>、川崎汽船<9107>の海運、所属全銘柄が反落した保険業などが入っていま
す。
野村ホールディングス<8604>の証券業、国際石油開発帝石<1605>の鉱業、三菱
マテリアル<5711>、住友鉱山<5713>の非鉄なども続きました。
相場に売り圧力が強まるなか、行き場を無くした資金が明和産業<8103>、日産
東京販売<8291>、ゴールドウイン<8111>、ヨータイ<5357>、新日本理化<4406>
など仕手系色の強い銘柄に向かっています。
個別では、金融機関への融資継続要請でシャープ<6753>、増配観測のリコー<7
752>などが材料物色を集めました。
新興市場では、中核のサイバーエージェント<4751>、エイチーム<3662>、ミク
シィ<2121>、モブキャスト<3664>のSNS関連が好調。
バイオ関連のスリー・
ディー・マトリックス<7777>、テラ<2191>、そーせい<4565>、タカラバイオ<4
974>なども賑わっています。
■■ 〜 本日の注目銘柄シューティング! 〜 ■■
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<9201>日本航空 3,845円 前日比+15円(+0.39%)
連日の大商い。
前営業日に東証1部へ再上場、値幅取りを狙った目先筋の売買
を集めていたが、本日も全市場の売買代金最上位に入った。
今後はFTSEや
MSCI、先行きではTOPIX組み入れに絡んだインデックスファンドの買
い需要発生が見込まれており、底堅い動きとなっている。
<7751>キヤノン 2,771円 前日比−90円(−3.15%)
反落。
直近での米国金融緩和、前営業日に伝わった日銀金融政策決定会合の緩
和効果で出直っていたものの、為替相場で円高推移が見られており、売り直さ
れている。
前営業日に買われていた金融関連や国際優良株も売られており、仕
手系株や新興軽量級など需給妙味の強い銘柄に資金が向かっている。
<9432>NTT 3,855円 前日比+255円(+7.08%)
大幅高。
前営業日引け後に発表した発行済み株式数の3.43%にあたる4200万株、
1500億円を上限とする自社株買いが好感されている。
場中でも上値を伸ばして
おり、上場来初の市場買付けでもあり、今後の株主還元姿勢に期待する向きも
多いようだ。